僕と契約して魔法少女になってよ――キュゥべえ
だが断る――鹿目まどか
最高のアニメは、最高の状態で見たいと思う蔵間マリコでふ。
ついについに、買いましたよ!!2011年冬のアニメの話題を掻っ攫った傑作魔法少女アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』(以下、まどっち)のBD完全限定生産版を。自分は、ゲームとかのおまけについてくるアニメのDVDとかは持っているけど、今までアニメのDVDとかBDは買ったことありませんからね。これが人生初のアニメのソフト購入というわけですな。それだけ、まどっちに熱を上げたというわけかもしれない。
いや~、友人に録画してもらったのをゆっくりと堪能するのも悪くは無かったですけど、流石はBD。録画やニコニコ動画とは比較にならないほどの映像美で惚れ惚れしますねえ。しかも、放送時の時の作画ミスの修正や作画の描き込みの量が凄まじいもので、永久保存版としては相応しいものと言えるだろう。
ただ、残念な事が2つほどありまして…。限定版の特典であるブックレットに誤字があるのと、本編の内容を修正するにおいて音声ミスがあるということだ。どちらも注意しないとあまり気にならないレベルだけど、TV放送時とは違って、永久保存版だからなあ…。水を差された感じで、意気消沈ですわ。
まあ、発売されて翌日に交換対応するとアニプレックスが発表したのは、ミスを突っぱねて誤魔化すジブリとは違って、紳士的な判断だと思う(もっとも、アニプレックスはミスの常習犯らしいが。)。それに、11話・最終話が1ヶ月延期されたという苦難に比べれば、何てこと無いことだ。さて、明日は祝日だし、ちょっくら出しに行きますか。
まあ、そんな悲喜交々だったまどっちのBD1巻でしたが、こんなに一つのアニメに熱を上げたのは、数年ぶりのことかもしれない。ミスター味っ子、銀河英雄伝説、機動武闘伝Gガンダム、AIR、カブトボーグV×V…。今までこういったアニメにドップリはまっていたけど、まどっちも負けず劣らずであろう。
思えば、まどっちが放送する前はここまで凄い事になるとは思わなかった。見る理由にしても、単にオリジナルのアニメで話題になっていたから、ネタ集めのついでにとみたいな感じで視聴していたからね。世間もそこまで注目していなかったようだ。
でも、それは2話目までの話で、3話目からまさしく概念ぶち壊しの展開の連続だからなあ…。魔法少女というジャンルにおいてタブーである死を描いたり、ドギツイ展開をコレでもかといっていいぐらい畳み込んだりと…。俗に言う水着回や温泉回、それどころかパンチラやポロリなど一切無しのシリアス一辺倒。夢とキボーにあふれたイメージの強い魔法少女アニメというジャンルだが、ここまで夢もキボーも無い魔法少女は空前絶後といえよう。この徹底した冷徹っぷりが、まどっちという作品にはまれた最大の理由といえる。
特に、4話目から8話目までの流れ、鹿目まどかの親友である美樹さやかが願いと引き換えに魔法少女になり、破滅にまで至る過程が好きだ。巴マミの死によって、魔法少女になる事に恐怖を覚えたまどかと対照的に、思い人である上条恭介の腕を直すために契約したさやか。
しかし、現実は甘くなかった。魔法少女という存在の驚愕の真実、さやか自身の本音と建前のギャップ、まどかとさやかの友人である志筑仁美の告白…。抜け出す事の出来ない負のスパイラルに取り込まれ、ソウルジェムが黒く澱み穢れていき、そして…。
「誰かの幸せを祈った分、他の誰かを呪わずにはいられない。あたしたち魔法少女って、そういう仕組みだったんだね。あたしって、ほんとバカ。」、美樹さやかの事実上最期であるこの台詞は、この作品がどのようなものか端的に現した台詞といえよう。そして、この台詞があったからこそ、最終話の円環の理となったまどかの魔法少女への救済とその後世界への説得力が増しているといえる。流石、エロゲー界の剛筆(ハードボイルド)作家の虚淵玄。上手く計算されている。
魔法少女アニメとしての枠としては、規格外のまどっち。
この後もまどっちのBDが月1回発売されるから、映像媒体もまだまだ楽しめそうだ。ハイクオリティな映像で素晴らしい出来のアニメが見れるのだから。
あああ、次巻以降も楽しみだ…。まあ、音声ミスとブックレットの誤字は勘弁だけどな!!