機動戦士クロスボーン・ガンダムDUST001

 亡霊より、塵へ。

 アニメも面白いと思うけど、漫画も面白いと思う蔵間マリコです。
 スローペースに買っていたからなかなか追いつきませんでしたけど、ようやく追いつきましたよ。長谷川裕一先生の描くガンダム漫画の代表作『機動戦士クロスボーン・ガンダム』の最新シリーズ、『機動戦士クロスボーン・ガンダムDUST』に。
 無印に、スカルハート鋼鉄の7人ゴーストと経て、DUSTが第5作目となるクロスボーン・ガンダムシリーズ。最初はガンダム好きとしてとりあえず読んでみようかな感覚だったんですけど、今では何時の間にかガンダム作品の中でもベスト5に入る好きな作品になってしまいました。
 作画は好き嫌い分かれそうですけど、長谷川裕一先生ならではのSF考証やニュータイプ論に、少年漫画さながらのハラハラドキドキの展開、そして驚きドッキリなMSの数々と熱い戦い。
 まさに漫画でのガンダムだからこその面白さが詰められた作品んじゃないかと。これは長谷川先生が終わらせたくても、終わらせてくれないのも納得である。ガンダムファンも、角川も罪深いものだ。

 そんな長寿シリーズの最新作だけど、相変わらずの面白さで大満足。
 あらすじを簡単に説明すると、「舞台は宇宙世紀169年、ザンスカール建国戦争終結から16年後。これでようやく地球圏に平和が訪れたかと思いきや、現実はそう甘くはなかった。地球連邦軍の弱体化が明らかとなり、各地のコロニーが反乱を起こし、宇宙戦国時代へと突入。そして、泥沼の戦いによりMSの技術も低下し、最新鋭のMSを生産するどころか、旧型のMSが掘り起こされ、戦場へと再び駆り出される。クロスボーン・ガンダムDUSTは、滅びへと向かいつつある世界に抗う者たちの物語である」といったところであろうか。前作のゴーストの続編ではあるけど、時間も世界観もかなり変化しているので、ここからスタートして読んでも問題はないかもしれない。
 しかし、悲しいですねえ、まさか宇宙世紀が人類斜陽の時代を迎えるとは。アムロやバナージは勿論のこと、キンケドゥ、トビア、そしてフォントの頑張りが無駄に終わってしまったのですから。人類がいつまで経っても争いを止めないで自滅していく、そんな無常感と悲壮感がひしひしと伝わってくる世界観。機動戦士ガンダムUCで初めてガンダムを知った人が読むとどう思うのだろうか? 
 そんな荒廃しきった世界で登場するMSも陳腐化して、笑えるんだけど、どこか物悲しい。ガンダム面のバイアランに、無理矢理改造して宇宙でも使えるようになったけど、メガ粒子砲は片腕2発で壊れる代物。そして、主人公機ですらビームなどの大出力兵器の稼動制限すらある。そんなに疲弊してまで人間は戦いを続けないといけない、まさにアインシュタインの予言そのものである。
 それでも、そんな世界の流れに抗い続ける者たちが輝かしい。いや、そういう世界だからこそ、より一層に輝かしく見えるのかもしれない。コロニーや依頼者たちの身の安全を確保するために戦う運送会社。誰も争わない世界を作るために、必死に模索をする少女。荒廃した時代に穀物を耕し、多くのコロニーを救う、戦う農夫。それぞれ目的そのものは違うが、少なくとも世界の破滅へとは逆の方向へとただひたすらに走る姿は、どれも魅力的だ。
 そして、この物語の終着点がどうなるのかが非常に気になるところ。今までは木星帝国やザンスカール帝国といった明確な敵が存在した。しかし、今回はまだ登場していない。そいつらを倒すことが最終目標になるのか?倒したからといってこの荒みきった世界を救うことはできない。そのためにはどうするのか?そこの模索がDUST一番の見所だろう。

 今までとは一味違った面白さのある、クロスボーン・ガンダムDUST
 まだ始まったばかりだけど、どんな物語を紡ぎだすのか楽しみでたまらない。やっぱり、ガンダムの漫画はクロスボーン・ガンダムシリーズがナンバー1!!