さあ、死刑執行の時間だ。
三度の食事より漫画大好き、蔵間マリコです!!
ちょっと前回のブログで、デリカシーの無いことを言ってすいません。私には、漫画の読み方を決める権利なんてありません。ただ、自分の精神状態が少しおかしかったか、ストレスが溜まってたんだと思います。
それで今回は、その責任を取るためにわざわざかなり曲のある絵の漫画を買いました。ヤングジャンプで現在、月一連載中の高橋秀武作のバイオレンスミステリー漫画
『野獣は眠らず』という漫画です。決して、見た目だけで買った訳ではありません。この漫画は毎回読んでますから、読みきり時代の頃から。まあ、とりあえずこの漫画の内容を説明でも書いておきます。
まず、あらすじはというと、
元警視庁捜査一課警部補の類家小五郎は、とある立てこもり事件で冤罪であった刑務官、斎原邦彦を射殺してしまう。その責任を取る為、類家は警察を辞め、現在は古道具屋の店番として働く。しかし、ある日を境に何者かに取り憑かれている事に気付く。
そして、時を同じくして元同僚の森と森の部下の志賀が古道具屋にやってくる。森は、類家が警察として働いていた頃に担当をしていた轢き逃げ事件の資料を持っきて、捜査の協力を頼む。だが類家は、計画殺人だとと推測するが警察でないため捜査の協力を拒否する。
その日の夜。類家は、うなされ目が覚める。すると、胸に『くようしろ』との文字が。類家は、自分の命を賭けての捜査が始まる!!
ここんところ、結構いい加減なあらすじ解説をしてきたけど、我ながらいい出来かも。
この漫画の特徴は、ほとんどオムニバス形式で話が進むということだろう。そして、その一話の中でのサイクルが決まっている。基本的なサイクルはこうだ。
・森が、事件の資料を持ってくる。
↓
・類家と斎原の真犯人探し。
↓
・真犯人の発見、真犯人の動機(戯言に近いが。)
↓
・斎原の真犯人への死刑執行。
↓
・事件の後日談。
これがこの漫画の基本サイクル。下手するとマンネリ化するが、結構テンポがいいのでその点に関しては問題は無いだろう。
そして、この漫画の最大の見せ場は斎原の真犯人への死刑執行だろう。絞殺、人体発火、転落死などグロイのが苦手な人は駄目かもしれないが(GANTZほどではないが。)、それに合わせて書いてある聖書や黙示録が作者の個性を引き出している。
絵は、あまり上手でないが、結構個性が強い。キャラクターの影によって輪郭を細めに描いて、それによって話自体をスマートに感じさせる。目の書き方なんかも個性的だ。孔雀王や拳銃神で有名な萩野真の絵の路線に近い。両方とも、幽霊が出てくるしね。
ただ決定的に面白いという所は無いかな?もう一押しっていう感じなんだけど、何か物足りない。どうしてだろうか。ちょっとそれは私の理解力不足だと思う。
そこまで面白いというわけじゃないが、そこそこ楽しませてくれる作品。榊一郎のハードボイルドバイオレンス小説、『ストレイト・ジャケット』みたいなグロイ作品が大丈夫な人は楽しめるだろう。
野獣は眠らずの評価
満足度 ☆☆☆
バイオレンス度 ☆☆☆
ミステリー度 ☆☆