こっちの方が面白いじゃん(涙)!!
前回の公約どおり、借りた漫画のレビューをします。蔵間マリコです。
早速、PEACH‐PIT(以下、桃種。)のSFラブコメディ『DearS』(前回、間違えてDEARSって書いてました。ファンの皆さん、スイマセン。)をレビューしたいんですけど、その前に一つ。何故、漫画図書館に行ってこんな妙な漫画を借りたかというと、ある意味リベンジマッチをしたかったからです。以前私がレビューした、『ローゼンメイデン』は今に思うとどうも面白いとは思えない。その時は☆3個の評価を出したけど、☆2個でもいいぐらいだと思う。で、ローゼンメイデンの件が少し悔しかったし、その割には桃種の評価が高いのが意外だから再確認するためにDearSを3巻まで借りました。タダから、リスクも無いしね(笑)。
この桃種のSFラブコメディ、DearSはどんな作品かというと、
一年前、地球に宇宙人を乗せたUFOが墜落した。
日本は、人類が初めて遭遇した地球外知的生命体をディアーズと名付け、市民権を与え、日本の言葉や習慣を学んでいた。それから、一年後。ルーズに一人暮らしをしている普通の高校生、幾原武哉は街で不思議な少女に出会う。その少女は、TVでも話題になっていたディアーズだったが、言葉をほとんど話せず、何も分からない様子。仕方なく武哉はディアーズの少女、レンと一緒に共同生活を始めることになるが・・・
まあ、見た感じはラブコメの王道パターンです。
どっかで女の子を拾ってきて、共同生活するパターンは。私の読んだことある限りだと、ちょびっッとかエルフェンリートとか辺りかな。流石にそれらには到底及ばないが。まあそれはともかく、ローゼンメイデンと比較とするとこっちの方が断然面白い。
どうしてかというと、やはりコンセプトとテーマの差だろう。ローゼンメイデンは、主従関係をやたらと強調してた作品であるのが特徴だった(強制に近いし。)。そのせいか、正直濃すぎてドン引きな内容だった。このDearSも主従関係みたいなのは存在する。むしろ、こっちの方が強いかもしれない。しかし、こっちは主従関係を逆手に取っている。それが面白い。
この漫画の最大の特徴である、ディアーズ。人間はディアーズを歓迎してるし、人間と同じ扱いをしている。むしろアイドルとかに近い存在である(ファンサイトがあるくらい。)。だが、ディアーズたちは違う。
ディアーズは、生まれながらして奴隷の種族である。商品として生産され所有され廃棄される。人間達は、親愛なる者と呼んでいるが、ディアーズ達は自分達を奴隷としか思っていない。この人間とディアーズとの温度差というか哀しさが、この漫画の根源的な面白さだと思う。特に、この漫画のヒロインであるレンなんかは温度差の渦中の人物でもあろう。レンは、ゼロナンバーズと呼ばれる欠陥品であり、本来は廃棄処分されなけばディアーズだったが、武哉はレンを必死に守ることによってディアーズとの温度差も小さくなっていく。コンセプト的にも、テーマ的にも、かなり良いと思う。でも、相変わらずレンは「レンはタケヤの奴隷だ。」って言ってたりして(笑)。
登場人物のバランスとかも、ローゼンメイデンに比べても男女のバランスが取れている。ただ、武哉の周りの人たちが不自然。初対面のディアーズの胸を触る隣人の寧々子(ねねこと読んでくれ。ナムコのギャルゲーキャラと無関係である。)、武哉のクラスの担任である露出狂の蜜香先生。そこら辺が、無理にキャラクターを作っている感がして好きになれません。ディアーズが少しずれているのは、納得いくけど。
正直、ローゼンメイデン買うよりDearSを買った方が良かったと思う。
ローゼンメイデンがメインディッシュばかりの料理だと例え、DearSはバランスの取れたコース料理だと思う。こっちの方が、桃種的には味が少し薄いがバランスが取れていて読みやすい。あっちは、アンティークドールだからな。ゾンビローンをいつか借りて比較してみる。多分、ローゼンメイデンが一番面白くないと思う。
まあDearSは古本で買うか。
次回は、福本伸行作の麻雀漫画『アカギ 闇に降り立った天才』をレビューします。
お楽しみに!!
DearSの評価
満足度 ☆☆☆☆
ラブコメ度 ☆☆☆☆
SF度 ☆☆☆☆