これって、ひぐらしのなく頃になの・・・?
前回に引き続き、ひぐらしのなく頃にのレビューですよ。蔵間マリコです。
今回は前回の目明し編に続いて、宵越し編のレビューなんですけど、この宵越し編は鬼曝し編と同じく、漫画オリジナルのひぐらしなんですよね。だから、自分はこの手のオリジナルストーリーは痛い&失敗するという印象が強いんですよ。実際、鬼曝し編はかなり痛い作品になってしまったし、こういう作品はあまり期待していないんですよね。
でも、いっつもこういう作品に手を出してしまう。その漫画を読んで面白かったから、続き内容が気になる、事の真相を早く知りたい、だからすぐに次の巻を買う。そして、最新巻まで買っても気がすまないので、外伝やファンブックとかに手を出して見事に失敗をする。何回も同じをミスをしているのに、いい加減目を覚めて欲しいよ、俺。
駄文はこれまでにして、そろそろ宵越し編のあらすじと感想を書かせてもらう。
とりあえずまずは、あらすじの解説。
舞台は平成18年、雛見沢。
雛見沢村――それまではごく平凡な山間の小さな寒村に過ぎなかった。
しかし、昭和58年6月に起こった大災害により一夜にして村は全滅する。
20余年の歳月を経て、やっと封鎖が解かれたその村に、何者かに呼び寄せられるが
ごとく集まってくるものたち。
奇しくも、かつて綿流し祭りの行われていた初夏、彼らに訪れる運命とは!?長き眠りに
ついていた鬼が、――再び目を覚ます!
ゲームから始まり、コミック、アニメと異例の大ヒットを続ける「ひぐらしのなく頃に」の
原作者・竜騎士07が書き下ろしたひぐらし外伝!!
あらすじでも書いてあるんだけど、この作品は外伝に当たる作品だから基本的に、鬼隠し編を読んでおけば特に問題はありません。ただ、ひぐらしのなく頃に解の罪滅ぼし編のネタバレが含んであるので、そこのところは注意。
で、肝心の宵越し編の感想はというと。
ひぐらしのなく頃に全編の中でも、最も異端に当たる作品だろう。ストーリー、内容、登場人物、絵のタッチ、ありとあらゆるものが他のひぐらし作品と全く違う。特に異端だと感じたのは、登場人物と絵のタッチであろう。
前者の登場人物は、宵越し編のオリジナルキャラクターを除くとひぐらし本編に出てくるのは、園崎魅音と古手梨花しか登場してこない。しかも、魅音は38,9のおばさんだし(計算したらそうなりました。)、古手梨花に至っては、幽霊で登場する。この設定は、罪滅ぼし編の余波なのだが、その影響により原作が同人ゲームだと感じさせない内容になっている(30代のレナや沙都子は絶対に見たくないが。)。
後者の絵のタッチに関してはこれもまた異端。他のひぐらし漫画は細めの線なのだが、この宵越し編はGペンを使っており、ひぐらし的な絵とは思わさせてくれない。さらに、カラートーンをあまり使わず、ベタを中心的に使う。よく言えば個性的、悪く言えば癖の強すぎる絵のタッチ。そのせいか、この絵に慣れるまでかなりの時間がかかるかも。俺は、あまり絵のタッチを気にしない主義なので1話で慣れたが、弟は2回読んで慣れた様だ。
だが、ひぐらしの特徴でもあるミステリー的な要素とサスペンス的な要素がダイレクトにあるため、ひぐらしとは別作品というところまで行かずに、ひぐらしの形をちゃんと残している。雛見沢の伝説、不可解な現象、そしてオヤシロさまの祟り。それに表面上の設定だけでなく、ひぐらしの深いところまで描かれており、異端でありながらひぐらしのなく頃にの遺伝子をちゃんと受け継いだ作品となっている。
絵のタッチや設定の関係上、好き嫌いが分かれる作品かもしれないが、個人的に好きな作品である。ディープなひぐらしファンは、読んで損は無いかと。
ひぐらしのなく頃に 宵越し編の評価
満足度 ☆☆☆☆
サスペンス度 ☆☆☆
ひぐらし度 ☆☆☆☆