若い頃は、駄目だ駄目だと言われてもするもんだな。
若さゆえの過ちというものか。
若い頃は、無茶したなあとしみじみ思う蔵間マリコです。
自分が住む家の近くの道路の脇道に暗くて狭いトンネルがある。通称・近道トンネルと言われている場所だ。ここのトンネル、主に中学生が放課後の帰り道あたりがたまに利用しているのが見受けられる。ここを通行するのと通行しないとでは、10分は変わってくるからな。かなり便利な物である。但し、入り口が沢になっており、暗くて足場が悪いが故に、通行禁止になっている。もし、ここを通ろうとすれば、地主か単に近所に住んでいる人か分からないが、高齢のじいさんに怒られる。日中いるというわけではないが、たびたびその光景を見かける。それもかなり耳につんざく声で。
そんな騒がしい光景だが、休日にも関わらず、その光景と遭遇する羽目になった。どうやら、休日だと思って、友人と一緒に近道トンネルを自転車を通過しようとして、待ち伏せてしていたじいさんに捕まったようだ。一人は何かウンザリしているようで、もう一人も少しふてぶてしい顔をしていた。まあ、ご愁傷様と言うしかない。しっかりこってり絞られるただろうなあ、きっと。
だけど、昔は今ほど通行に関しては、厳しいものではなかった。確かに、通ってはいけないとは言われていたんだけど、怒られたりするとかって言う事は記憶にない。通行禁止の柵なんてなかったし、普通に中学生が通っていたりしたからねえ。でも、これだけは言える。自分がその通行禁止になった原因の一端になっている事を。
確か、あの事件があったのは、ここに引越しして間もない頃の話。ここらへん一帯に住む中学生の一部の人は、この近道トンネルを使っていた。その中には、もちろん自分も含まれている。少し危ないというのは分かっていたが、そこは中学生。危ない事をしたいお年頃。大人の忠告よりも、ガキの好奇心が勝っていたと言うわけだ。
まあ、そんなちょっとした火遊びをしていたのだが、事故は起こるべくして起きるもの。ある日、友人と一緒にその暗い道自転車で通っていると、沢でバランスを失ってしまったのか、泥を巻き上げて派手に転んでしまう。しかも、沢を滑って4m程度下にあると思われる水路に落ちてしまう。その上、足を怪我したのか歩く事が出来ない模様。パニックになる自分と友人。
そこに、上でも書いていたおじいさんが偶然にも発見する。何が起こったのか最初は驚いていたようだが、自分を含めるそこにいた人たちと友人を助ける事になった。足場が悪く、なかなか引っ張るのにも苦労をしたが、大人がいたおかげで何とかなったな。まあ、これで万事は解決したんだけど、それからがもう大変で。そのおじいさんから大目玉を受けるは、家族には一生分かと思われるぐらいに怒られたし、担任の教師には頭が痛くなるほど怒られた。多分、自分の人生の中でここまで怒られたのは、これ以上のことはない。
それからしばらくして、そこの近道トンネルに柵が出来た。取り外す事が簡単に出来る簡素な物だ。だから、通ろうとすれば、通る事が出来る。だが、その近道トンネルの先にはおじいさんが待ち構えている。通ろうとすれば、説教をされてしまう。そのおじいさんの努力(?)が実ったのか、現在は昔ほど利用する人間が減ったのである。
今思うと、あの時、ちゃんと大人の忠告を受けていれば、こんな事にならなかったのかとしみじみ思う。大人が子供に対して怒るのは、それなりに訳がある。このおじいさんもその一人だ。きっと、そこを通ろうとした中学生の身を案じて、怒っているんだと思う。俺にも、世間じゃあ、あまり良い目で見られない中学生の時代があったということか。こうやって、大人の常識とかを学ぶんだろうな。
まあ、そういう常識とかマナーを知らない中学生(と言うよりも、そういうのを知らない方々。)が、イベントに参加するのは非常に困るけど。今年のコミケなんかは、それが酷かったようだし(特に、東方関連。)。羽目を外すのはいいが、迷惑をかけない程度にしてくれ…。