続・黒のノエル

現在週刊ヤングマガジンで連載中の異世界ファンタジー漫画『パラレルパラダイス』をはじめ、純愛ダークファンタジー漫画『極黒のブリュンヒルデ』、美少女SFバイオレンスラブコメディ漫画『エルフェンリート』、スポコン漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、食べ歩き企画、ライトノベルの執筆などをしております。どうぞごゆっくり見てください。

2010年08月

 少し前に、同じような記事があったような…。

 漫画やアニメの名言は覚える主義の蔵間マリコです。
 一昨日・昨日の二日間、旧・新作のアニメを中心に放送するCSチャンネル『アニマックス』のスペシャル番組『ボイスパワー2010 ~あなたに響け!あの声、あの歌、あの台詞』という番組が放送された。その内容は、タイトルで分かる通り、声をピックアップしたスペシャル番組(しかも、24時間。)である。中でも、『アニメ名台詞ランキングベスト100』というコーナーが最大のウリで、アニメや他のコーナーの途中途中に名台詞が紹介されていた。
 自分は、最初、どんな台詞が出るのかと楽しみにしていた。だが、箱を開けてみるとビックリ、かなり偏りのある結果でかなり残念な企画であった。名台詞の宝庫である北斗の拳スラムダンク、シリーズも長く続いてるガンダム系統は納得のいくものの、明らかに名台詞じゃないだろというものも含まれていたのは納得いかん。その上、腐女子が好きな作品に偏りがあるし、アニマックスで最近放送された作品に集中しているし…。いや、投票する層とか考えれば分からなくもないけど、ランキングを決める方法をどうにかならなかったのかなあ…?
 でも、AIRの最大の泣き場の「もうゴールしてもいいよね?」の件もあったし、ラピュタのムスカ大佐の「見ろ!人がゴミのようだ!」がランクインしているあたりは、一種のセンスみたいな物を感じた。もし、来年も同じような企画をするならば、あまり偏りが出ない方法で選出してほしい物である。一応、他のコーナーはそれなりに楽しめたので。

 まあ、そんなわけでちょっと肩透かしを食らったアニマックスの24時間スペシャル番組の名台詞コーナーでしたけど、皆さんはどのようなアニメの名台詞が好きでしょうか?
 自分は、ジャンルや作品的に偏りがありますけど、好きな台詞が結構ありますね。で、今回は自分の好きなアニメの名台詞を5つほど簡単に紹介したいと思います。正直、個人的な好みだから、「それはないだろ。」と思うものもありますが、そこは温かく見守ってください。

 まずは、『機動武闘伝Gガンダム』より、ドモン・カッシュの台詞。

俺のこの手が真っ赤に燃える!勝利を掴めと轟き叫ぶ!爆熱!ゴッド・フィンガァァァァァー!!

 言わずがな、ドモン駆るゴッドガンダムの必殺技、ゴッドフィンガーを仕掛けるときの台詞。名台詞というよりも、決め台詞かもしれないけど、そこは御愛嬌。
 放送当時は、あまりのカッコよさにまんま物真似をしましたねえ。しかも、ドモンがゴッドフィンガーを仕掛けるのにあわせて。今思うと、凄く恥ずかしい思い出である。まあ、それだけ、ゴッドガンダムが好きなのかもしれないが。

 続いては、『新機動戦記ガンダムW』より、ヒイロ・ユイの台詞。

 お前を殺す。

 これも非常に有名だが、ヒイロ・ユイがヒロインのリリーナ・ドーリアンに対して放った台詞である。
 個人的には、ガンダムWは放送していた頃は、Gガンダムと180度違う作品だったから、あまり好きになれなかったけど、これは非常に印象的でしたね。シンプルでいながらも、ぶっ飛んだ台詞。しかも、それを言われたリリーナ本人は、もっと馬鹿な事を言っているし。後のガンダム00の刹那・F・セイエイも「俺がガンダムだ。」も「お前を殺す。」と同じような匂いがして好きだ。

 3番目は、『真ゲッターロボ 世界最後の日 』より、早乙女博士台詞。

 ワシの敷いたレールも最後だ、後はお前たちの手で切り開け、人類の未来を、さらば!!

  個人的には、真ゲッターゲッターロボシリーズの中でも、いやダイナミックプロの中でも一番好きな作品である。原作色の強いネジの外れた登場人物や過激でダイナミックな描写、そして壮絶なバトル。そんな魅力たっぷりな作品であるが、この台詞は真ゲッターの集大成ともいえる台詞だ。
 とにかく壮絶、その一言に尽きる。ストナーサンシャインを喰らい腸がはみ出ながらも、竜馬たちに未来を託す早乙女博士の姿は、作中でも一番印象的な場面だ。早乙女博士、マジカッコいい。

 そして、4番目は自分が応援している作品の一つである『エルフェンリート』より、ルーシーの台詞。

 今まで人を殺したことは一度もない。

 ルーシーの捕獲の刺客として送られたナナ。その説得するナナに対して、吐いた台詞である。
 これ、非常に意味深な台詞ですよね。意味としては、二つ汲み取ることが出来て、一つは自分と同じ新人類であるディクロニウスを殺したことがないという意味合いであり、もう一つは自分が人間だと思っている人間、大切な人を殺したことがないという風に読み取ることが出来る。多分、倫たんの作品の中でも、一番凝った台詞だと思うな。

 ラストは、前一つと同じく『エルフェンリート』より、マリコの台詞。

お……かあさん? じゃない。

 墓といわれる装置に閉じ込められていたマリコを解放し、母親代わりにしていた科学者の斉藤に対して言った台詞。直後、斉藤は上半身と下半身がオサラバしている。
 とにかく、恐ろしさのあまり寒さする感じる。前半部分の「お……かあさん?」は感情の籠めた台詞だったけど、後半部分の「じゃない。」は、感情を籠めずに淡々と喋っているから怖い。しかも、あんな可愛い5歳児ががっぷのある台詞を言っているから尚更である。マリコの声優の川上とも子さんの演技力には、参る。

 まあ、個人的に好きなアニメの台詞と言うとこんな感じかな?
 もし、皆さんも好きな台詞がありましたらぜひコメントしてください。
 ということで、次回もよろしく!!


         ルーシー アニメ

   聖王ヴィヴィオ


 色々と難しい…。

 時間がかかる割には、出来がアレな蔵間マリコです。
 いや~、記事にするのが遅れちゃいました。大人気魔法少女バトルアニメ『魔法少女リリカルなのは』シリーズのアレンジコスチュームイラストが。いや~、今までのイラストも苦労して描いていたんですけど、今回は相当な労力がかかりまして。何しろ、描いたイラストを2回もやり直したのですから。ホント、思い通りに描くというのは難しいもんですよ。
 で、その苦労に苦労を重ねて描いた今回のイラストは、リリカルなのはシリーズの第3期『魔法少女リリカルなのはStrikerS』のキーパーソンともいえるヴィヴィオの聖王として覚醒した姿『聖王ヴィヴィオ』のアレンジコスチュームっす。個人的にヴィヴィオというと、リリカルなのはシリーズの中でもかなり無茶な設定な感じがあって、あまり好きではない。なんていうか、複線は多少張られているものの、結構唐突も無い展開が多くて…。特に、聖王としての過去があまり触れられていないから、どうも腑に落ちない。せめて、それを本編内で明らかにしてほしかった。
 でも、ある意味リリカルなのはシリーズのキャラらしいというのも事実。聖王のゆりかごでの最終決戦時、拉致される前のヴィヴィオに戻って欲しいと体を張る高町なのは。それを武力行使で拒絶するヴィヴィオ。だが、それでもなのはは諦めずに戦い、ヴィヴィオの呪縛となっていたレリックコアと聖王としての過去を打ち破ることに成功し、再びなのはの娘として受け入れられた。リリカルなのはシリーズのテーマの一つである『家族』を上手く絡ませたエピソード(あと、白い魔王の最強っぷり。)だといえる。
 現在、ヴィヴィオは元の作品のとらいあんぐるハートのスピンオフのリリカルなのはシリーズスピンオフ(ここまで来ると、原型が…。)の『魔法少女リリカルなのはViVid』で活躍中。果たして、彼女も本編や4期と同じく、大きな陰謀に巻き込まれるのだろうか?これからが、楽しみな所である。

 まあ、そんな「おとなモード」の聖王ヴィヴィオを描きましたが、上でも描いているとおり、2回も描き直すほどの大苦戦させられるイラストになってしまった。
 その最大の理由となったのが、聖王ヴィヴィオの特徴的な髪型。聖王ヴィヴィオの髪型は、前髪が片方によっており、更にサイドテールという非常に特徴的なデザイン。そのためか、作中でも個人のイラストを見る限りでも、同じ向きになっていること多い。だから、自分は敢えて、逆の向きで描いてみたのだが、恐ろしく難しく…。何度描いても何度描いても、髪が寄せられていない部分が変な髪型になってしまう。これのせいで、時間の多くを費やされてしまいました。それでも、上手いとはいい難いが。
 次に時間がかかったのは、ポーズ。今回は、今まで描いたことのない蹴りのポーズだから、どのようにすれば蹴りらしくなるかと試行錯誤しました。それで、その結果、辿り着いたのこのようなデザイン。自分としては、龍虎の拳リョウ・サカザキの飛燕疾風脚をモチーフに描いたのだが、見事に十文字キックになってしまった。なんか躍動感もないし。精進が必要だな。
 そんな髪型とポーズに苦労したためか、服装がかなり適当。容姿が特徴的なキャラだから、服にテコ入れしやすいとはいえ、これは微妙だなあ…。あっていなくもないが、どうも途中で力尽きたみたいな…。やるなら、最後まで力を入れれば良かったかな?

 これからますます苦労しそうなリリカルなのはのイラスト。
 次回は、スカリエッティ一味の一人である『ルーテシア・アルピーノ』とそのパートナーである『ガリュー』を描く予定。幼い華奢な体のルーテシアと威圧感溢れるガリューをどうやって、統合性の取れるデザインにしようか悩む…。

        同人誌2010夏


 相変わらず黒いなあ…。

 自由な想像力は素晴らしいと思う蔵間マリコです。
 今日の昼、市内のサブカルチャー関係で有名な某所へ行った。目的は、夏のコミケで発売された新作同人誌の購入だ。こちら広島じゃあ、東京のコミケ会場に行くにも相当な軍資金が必要だから、行ける機会がなくて…。てなわけで、軍資金があまりない人間である自分は、某所で買っているわけなのですよ。ちなみに、夏のコミケ分を買うのは今回が初めて。年に1回、冬のコミケが終わった後の正月あたりに購入していたからね。ちょっと欲しい物があったので。
 で、今回買ったのがこの3冊。けいおん!!のエロパロ本と魔法少女リリカルなのはシリーズのエロパロ本とノーマル本をそれぞれ1冊ずつ。自分としては、後2冊ぐらい欲しかったのだが、ちょっと他の事にお金をかけすぎた…。あと、今年の夏のコミケにノノノノの同人誌が出るとか聞いて、2回の同人誌のコーナーくまなくを散策をしたのだが、結局は見つからなくて…。やはり、たんの漫画は、この業界界隈ではマイナーそのものか…。もっと、有名になってもいい作品なのに…。
 まあ、そんなわけで買った同人誌の感想なのだが、吟味しただけになかなか。なのはのノーマル本のは、pixivで見かけた時と同様に作品に対しての愛が篭っていたし、エロパロ本の方も結構なエロさ。
 その中でも、蛸壺屋のけいおん!!のエロパロ本『THAT IS IT』は相当強烈。全三部作構成の完結作となる二次創作作品なのだが、恐ろしく毒が効いていて面白い。この同人誌の主人公のあずにゃんはアイドルになれたはいいものの、才能に恵まれず、3流アイドルに落ちぶれて、身体ともにボロボロ。他にも、唯は唯で音楽業界に馴染めず、ストレスの末にドラッグに走って死ぬし、澪は澪で、夢を捨てきれずにゴロゴロと燻ってメタボになっているし…。澪の行く末を描いた前回ほどのインパクトはなかったけど、相変わらずの原作とは相反するようなドス黒さは良かった。恐ろしいわ、このサークル。
 個人で製作している故に、値段が普通の漫画に比べるとかなり高いが、それに見合う面白さがあった。来年の正月あたり、また同人誌を買おうかな?

 しかし、不思議なものである。昔は、同人という界隈があまり好きじゃなかったのに、ここまで心変わりするなんて。なんていうか、原作のイメージをぶち壊すような内容が描かれているような気がして(蛸壺屋は、まさにそれだったが。)、好きじゃなかったんですよ。だから、作り手側の青春や妄想の現実化とか漫画家としての一つのステップということも知らなかった。
 でも、ある商業化された作品でかなりの印象が変わった。竜騎士07の『ひぐらしのく頃に』である。自分は、同人で完全オリジナルというものは殆ど知らなくて(知っていても、月姫ぐらいだった。)、今までの概念とは違う物で、非常に興味的だった。そして、試しに漫画版を読んでみたのだが、それがかなり面白くて。そこから、原作をプレイして、PS2版やアニメ版にも着手するほどになったのである。
 それと、恐らくだけど物の考え方が丸くなったのかもしれない。世の中、自分には想像出来ないような事を考えている人だっているだろうし、自分だってそういう妄想を考える事だってある。それに、世間じゃあ物事を割り切るということも重要だしね。
 おかげで、同人の世界の見方が大きく変わった。大人気同人弾幕STG『東方Project』シリーズも毎年買っているし、年に1,2回は同人誌を買っている。1回で何十冊も買う人ほどでもないが、そこそこの同人業界が好きな人間になったわけである。

 自らの想像を現実の物とする同人業界。
 自分も、聖地・有明で行なわれる同人誌の最大級のイベント、コミックマーケットに一度参加してみたいものだ。まあ、上でも書いている軍資金の問題もあるし、体調を崩しやすいという問題も抱えているし…。何時になったら行けるのやら…。

 遅いけど、やっと夏休み…。

 お盆は忙しくて休めなかった蔵間マリコです。
 いや~、やっとこさ取れましたよ。待ち遠しかった夏休みが。お盆の間は、年寄り衆が休みを取っていましたからねえ。特別手当が多少つくとはいえ、思いっきり休みをとる人が多いから、自分含める若い人間に皺寄せが来るからやってられない。一年の中でも特に暑いこの時期、照りつけるような日差しと激しい肉体労働、まさに命懸けといっても過言ではありませんよ。
 でも、夏休みに入ったから思いっきり羽を伸ばすことが出来る。火曜日までと短い夏休みだけど、これで遊びたい放題。明日あたりには、某所で夏のコミケで発売された同人誌も買う予定だし、近々CAVEの新作横スクロールSTG『赤い刀』もリリースされるからプレイしないといけないし、積んでいたガンプラも組み立てないといけない。今日は今日で、ヤンジャンやら買いそびれた漫画の消化などもしないといけなかったし。やる事は多いから、全部が全部出来そうでもないけど、ハッピーハッピーな時間を過ごせるわけだ。ホント、夏休みは最高!!
 まあ、そんなわけで時間に余裕があるので、早めに読んでいたヤンジャンのスキージャンプ漫画『ノノノノ』のストーリーと感想を書かせてもらいますわ。前回、悠太が地を離れたが、結果はどうなった事やら…。

 第129話『もっとずっと

 奥信高校の運命、そして野々宮悠太の人生を賭けた一世一代の大ジャンプ。
 悠太のジャンプは、見事風の流れに乗る事に成功し、鋭く滑空する。不利な状況下の中、K点を通過する飛行にざわめく観客と選手達。だが、条件化が条件化である。K点を通過した時点で、地面との距離が近付きつつある。これでは、HSを越えるどころか逆転も困難である。

 しかし、切迫とした状況とは対照的に、悠太の心境は穏やかであった。現実を見せ付けられ、ジャンプすることが出来なかった中学生時代、あの時、夜一人で飛んだときの風の感覚は気持ち良かった。飛距離の事なんて考えることも必要なく。こんな時間がもっと続いたら…。
 そんな風の感覚に悦となった悠太を羨ましがる存在が。悠太の兄の幻である。彼は、父親の叶えれなかったを果たす事が出来ず、悠太に願いを託し、この世を去った。自分に、スキージャンプの才能がなかったからだ。『ノノ…。』、『お前がうらやましいよ。』、『本当にジャンプが大好きなんだな。』。
 瞬間、悠太に再びチャンスが訪れた。向かい風である。その僅かな可能性を逃さず、悠太は風に乗り、板が反った。それにより、地上からギリギリの地点でありながらも、悠太のジャンプは更に勢いを増した。HSサイズを越え、目標の115mをも凌駕する。悠太の粘り強さに驚愕する選手たち。だが、この勢いで斜面のない場所で着地をしようとすれば、テレマークを決めるどころか、大怪我を免れない。
 その一同の期待と不安で一杯な悠太のジャンプは、ついに着地をした。転倒する事もなく、見事にテレマークを決めて。会場は、拍手、呆然、感嘆に包まれる。その凄さのあまりに、なかなか審判は記録を出すことが出来ないほどだ。
 そして、長い審議の間、結果が出た。飛距離、123m。その記録が出るや否や、会場の熱気は最高潮に。それもそのはず、あの赫や皇帝ですら凌駕する大記録なのだから。

 今までノーマークであった選手に、強烈な一撃を決められ、動揺する各校の選手達。無名の選手の大活躍に、思わず虜になってしまう女性のギャラリーたち。様々な形で感激する奥信高校の関係者。自らふっかけた賭けに破れて、酷く落胆する鷺坂。
 だが、悠太は斜面の無い場所で着地したにも関わらず、転倒をしなかったのだろうか?その答えは、悠太の体格にあった。これまで120m以上の記録を叩き出した選手は、赫や禰宜田、皇帝といった力押しの重量級の選手だ。それに対し、悠太は半分程度の体重しかない。そのため、体にかかる衝撃が最小限に抑えられるたのである。
 風の流れを見事に読み、斜面の無い部分での完璧な着地。それは奇跡としかいえないであろう。
 ジャンプ台のコースから外れ、仲間達の元へ向かう悠太。そこには、歓喜に満ち溢れたみかげが。ただ、悠太の表情は、何故か物足りない感じだ。その理由は、至ってシンプル。もっと飛んでいたかったからである。それも、もう一度やり直したいほどに。
 悠太の素っ気無い言葉に、唖然とする選手達。大事故と隣り合わせであるスキージャンプという競技、何度も飛びたいという者など普通はいない。それなのに、悠太はもっと飛んでいたく、もう一度やり直したいのだから常人の沙汰ではない。

 そんな喝采の津波に、会場が騒がれる中、ある男は感涙していた。雪野高校の真岡である。
 「間違いない…、いつもノノを追いかけていたおれが間違うはずがない…。ノノだ…、あれは…、ノノだ…。ノノが生きていた…。」
 自らの目標である少女との再会に、真岡はただただ感動するのであった。

 いや~、2週間ぶりのノノノノでしたが、今回もなかなか熱い展開でした。ジャンプが話の大半を占める回だというのに、上手い具合に描かれていて面白かった。スキージャンプ漫画である以上、スキージャンプが面白くないとね。
 まず、悠太のジャンプ中の描写。なんていうか、ここに来て作品としての原点回帰という印象を受けましたね。元々悠太は、父親とか兄の夢を果たすためにジャンプをしてたわけではなく、スキージャンプが好きだからスキーをしていた。だが、それが金メダルを取るために家族のためにスキージャンプをする事に変わり、そして奥信高校をIH優勝に導くためにスキージャンプをした。本来、自分がスキージャンプをしている動機が、何時の間にか大きく変化してしまったのだ。
 自分としては、この心境の変化はいいことだと思う。確かに、奥信高校を優勝させなければいけないのは分かる。でも、記録にばかりに拘っていると、逆にプレッシャーになってしまう。だからこそ原点に回帰して、リラックスするのは重要である。そうすれば、曇ってたはずのレンズが綺麗になるのだから。それを悠太は、絶好のタイミングで遭遇したのだ。
 で、その結果が123m。これは、完全に虚を突かれましたねえ。自分としては、皇帝の記録を若干上回る122mぐらいで止まると思ったのだが、それを遥か上(ジャンプ台的には、下だが。)なのだから。思わず、「ここで、大きく突き放すか!?」とビックリさせられましたよ。しかも、ちゃんと納得いく理由まで用意されているのだから。う~ん、ちゃんと考えられているなあ…。
 そして、悠太のみかげへの反応。まさに、今回の原点回帰という意味合いでは、良い反応だと思いましたね。風に乗る快感もスキージャンプの危険性に対する恐怖、そんなもの全てをひっくるめて大好き。それを子供が残念がっているかのような表情で言っているのだから面白い。このチョイスは、センスを感じられる。

 ノノの決死の大ジャンプも大成功に終わり、二巡目のジャンプも残すは真岡だけになった。
 しかし、真岡も悠太の正体に勘付いた。正体をばらすことなんて愚行はしないだろうけど、どのような態度を取るのやら…。
 まあ、その前に来週はノノノノ休載なんだけどね…。また2週間待たないといけないのは、キツイ…。

 ノノノノ129話の評価

 満足度 ☆☆☆☆
 スポーツ度 ☆☆☆☆☆
 熱血度 ☆☆☆☆


       ノノノノ129話

            もみじまんじゅう風ドーナツ


 何が基準なのやら…。

 ふとした事で、どうでもいい事を深く考える蔵間マリコです。
 世の中、○○風とか○○風味とかというものがたくさんある。和風パスタとか、広島風お好み焼き(広島焼きとか言う人は、広島県人の敵。特に、関東方面の人。)とか蟹風味かまぼことかカレー風味のポテトチップスとかヤンデレ風空鍋とか。好みの関係とかそこの店の味の出来とかもあるだろうけど、○○風とか○○風味と名乗っているだけあって、それに相応しい味になっていたりしている。だけど、その○○風って、何を定義にそういう名前を付けているのだろうか?
 広島風お好み焼きとか関西風お好み焼きみたいに、元から知名度も高く、地元にも根付いた料理なら分かるし、カレー風味とかなら誰でもピンと来るけど、京風料理とか喜多方ラーメンとかゴルゴンゾーラ風味とかドジっ娘風って言われたりするとどうもピンとイメージがわかない。味付け?使っている材料?それとも、見た目?一体何なんだろうか?
 特に、少し前に輸入雑貨屋で見かけたネタ系のドロップなんかが何を定義で○○風って語っているのか不思議でたまらなかった。マヨネーズ風味や沖縄ゴーヤチャンプルー風味あたりは元の料理が特徴的な味(それらのドロップは、絶対に食べたくないけどさ。)だからまだ分かるけどさ、原宿チョコバナナクレープドロップスと言われても困る。そもそもそこまでピックアップされていない、原宿のチョコレートバナナクレープを食べた人がどれだけいるのだろうか?
 結局の所、そういう○○風とかって、その人がそのように作りましたという意匠とそれに近いものだったら、OKなのかもしれない。○○風って、結構適当な定義…。

 で、まあいきなり結論を出してしまったけど、何でそう思ったのかというと、今日の夕方、もみじまんじゅう風ドーナツというものを食べたからだ。
 炎天下の中の厳しい仕事も終わり、クーラーがガンガンに効いている事務所でくつろいでいた。そんな中、事務員の若い女性が差し入れを一つ。みんな大好きミスタードーナツである。暑い中、こんな甘い差し入れをしてくれるなんて有り難い。という事で、その中の変り種の広島限定のもみじまんじゅう風ドーナツ(アップルソース味)というのを選んだのだ。
 味はというと、もみじまんじゅう風と名乗っているだけに、もみじ饅頭らしい味だった。オールドファッションのようにずっしりとした生地ではなく、卵をたっぷり効かせたカステラ味でなかなか斬新。そして、外に塗された砂糖と中に挟まれたアップルソースもマッチしている。何時もなら、スタンダードにオールドファッションあたりを選ぶけど、これはこれで美味しかった。
 でも、もみじまんじゅう風とはいったものの、何かもみじ饅頭とは違うような…。もみじ饅頭を揚げて食べるというのはあるけど、砂糖を塗して食べるという事は無いし、もみじ饅頭に入っているのはアップルソースじゃなくて、りんごジャム。地元の人から言わせて見ると、もみじまんじゅうもどきドーナツという感じかもしれない。う~ん、やはり地元の人が考えたドーナツじゃないから、何かが違うなあ…。

 どうしてこんなどうでもいい事をずっと考えていたのやら…。
 もっと別に考えなければいけないことがたくさんあるのに…。

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