続・黒のノエル

現在週刊ヤングマガジンで連載中の異世界ファンタジー漫画『パラレルパラダイス』をはじめ、純愛ダークファンタジー漫画『極黒のブリュンヒルデ』、美少女SFバイオレンスラブコメディ漫画『エルフェンリート』、スポコン漫画『ノノノノ』、そして大問題作『君は淫らな僕の女王』(原作)などの岡本倫先生の作品の感想や考察を書いています。他にも、日常の出来事や漫画・アニメ・ゲームの感想、食べ歩き企画、ライトノベルの執筆などをしております。どうぞごゆっくり見てください。

2011年04月

 流石、ライトノベル界の神童といったところか。

 小説もライトノベルも面白ければ、垣根は関係無いと思う蔵間マリコです。
 今日の朝、とある新聞の片隅にちょっとした驚愕の記事が書かれていた。現ライトノベル業界でも1,2を争う大人気シリーズ『涼宮ハルヒの憂鬱』の4年ぶりに発売される最新作、『涼宮ハルヒの驚愕』の来月発売するという記事だ。まあ、それだけなら別に他愛も無い内容でもないし、アニメ2期企画進行中の時みたいにでっかい広告をしていたわけでもない。では、何に興味を惹かれたのか。それは、初版の発行部数が前後編合わせて100万部超になるという事だ。これは、ライトノベル業界最高記録らしい。
 いや~、ハルヒが海外でもファンがいるほどの大人気作品であるという事は知っていましたが、ここまで凄い数字が出るとは…。村上春樹の小説、『1Q84』もビックリの数字である。ハルヒシリーズはアニメでしか見たことがないし、ハルヒの性格がどギツイから作品自体はあまり好きではないが(ギャグでやっているハルヒちゃんは嫌いじゃないが。)、これは純粋に感心ものである。
 俺も、谷川流といとうのいぢの才能の100分の1でもいいですから、分け与えてほしいものです…。それくらい羨ましいよ…。

 まあ、そんなライトノベル業界の大記録が樹立されましたが、昔はここまで凄い作品というのはあまり多くなかったな。というよりも、そういった区別が特になかったからかもしれない。今じゃあ、本屋に行けば、大体はライトノベルのコーナーってあるしね。だから、様々のジャンルの作品に埋もれていたのかもしれない。
 さて、そんな偉業ともいえる功績を立てたライトノベルは、古今存在するが、自分の中ではアレが一番印象的かな?和製スペースオペラのパイオニアであり、重版数やカバーや装丁形式数で圧倒的な数を誇る、田中芳樹の代表作『銀河英雄伝説』である。
 これを読んだのは、中学生の時だったけど、これがとてつもなく面白くて…。膨大な数を誇る登場人物であるにも関わらず、ちゃんと1人1人の心理描写をしっかりと描き、持ち場もちゃんと持たせているから感情移入がしやすい。それに、丁寧で想像するのに難しくない読みやすい独特の文体なんかも目を見張るものがあるし、何よりも社会的背景のリアリティの高さは相当なものである。昔からライトノベルは読んでるけど(ここ数年は、あまり多く読まないが。)、ここまで面白いと感じたライトノベルは多分ないな。
 おかげで、小説版だけでなく、漫画版も今出ている所まで持っているし(もっと単行本の出るペースを上げてよ…。)、アニメ版も全話視聴したりとかなりハマリしまたよ。それに、丁度自分と同じく銀英伝が大好きな友人がいたから、銀英伝談義なんかもしょっちゅうしてたし。それだけ、自分にとって、銀英伝は大きな影響を与えた作品といえる。

 昔から存在し、小説と同じく読者を楽しませてくれたライトノベル。
 アニメ業界とか小説業界から色々な場所から煙たがられているけど、それでも凄い作品は多々存在する。これからも邁進し続けて、小説に負けないほどの巨大ジャンルになってほしいものである。まあ、それを決定付けるのは、これから先輩出されるライトノベル作家にかかっているんだけどね。


         

こんにちは!トラックバックテーマ担当の加瀬です。今日のテーマは「最近絵を描いたのはいつですか?」ですFC2のスタッフは、どの部署の方も絵が上手い人が多く、作品を見せてもらっては、あまりの上手さに深いため息をついている加瀬です…トラバテーマ担当の水谷さん、ほうじょうさんはとても絵画、イラストが上手で、私もあんなふうに書けるよう...
トラックバックテーマ 第1181回「最近絵を描いたのはいつですか?」


 今週の御題は、『』。
 ていうか、毎日描いてますよ、絵は。自分の夢である、自分の描いた世界を多くの人に見てもらうためにも。それに、週末あたりは本腰入れて、SAIとか使ってカラーのイラストを描いてますから。
 ただ、全くダメダメな絵である事には変わりありませんけどね。最近こそはある程度方向性は見出せるようになったけど、体全体のバランスがどうしても狂ってしまうわ、絵を描いてもカクカクになっていると指摘されるわ、細かい部分でミスをしてまうわ、知識不足から適当な部分がたくさん生まれてしまうわで、ホント泣きたくなるよ…。
 でも、昔の練習絵を見直すとそこそこは上手くなったとは思うんですけどね。本格的に絵の練習をするようになってからこの7ヶ月間の間で。今もお世辞にも上手くはないんだけど、7ヶ月前の練習絵なんて…。
 というわけで、今回はこの7ヶ月間で練習した絵の数々を紹介したいと思います。スケブでなく無地のノート、コピックも使わずにシャーペンのみなので、あまりよろしくないものかもしれませんがそこんところは許してください。あと、下に行けば行くほどカオスな絵になるのでそれなりの覚悟をしてください。
 それでは、一枚目の画像を。

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 先日の夜に描いた練習用の絵。ヤンジャンのグラビアアイドル特集の写真を参考に描いたものである。
 自分としては、描き始めた頃と比べると多少は形になっていると思う。ただ、途中で力尽きてしまったため、手の部分が適当になっているし、やっぱり体全体のバランスが悪い…。

             へたれ絵002

 2枚目は2月末に描いたラフ絵。詳しくは過去の絵を見てください。
 2ヶ月近くとは経つとはいえ、相当画風が違うなあ…。顎とかも今よりも尖っているし、目の形も全然違うし。まあ、どっちにしても下手っぴなんですけどね。

             へたれ絵003

 そして、3枚目はクリスマスの時に描いた絵のラフ絵。これも過去の記事にあるので、詳細はそっちで見てください。
 何ていうか、ここまで遡ると恥ずかしい…。今以上に、体のバランスは相変わらず、足は短すぎ、顔のパーツのバランスが悪い(特に、目と目の距離が…。)などなど、ツッコミどころが多すぎる。これで満足していた自分が情けない…。まあ、今でも少し油断したらツケ上がるんだけどね。

             へたれ絵004

 ラストの4枚目は、最初期の練習絵。ノーコメント…。

 まあ、この7ヶ月間で描いた絵はこんな感じに変わったのかな?体全体の練習はまだまだまだまだだし、物とかを正確に描く力は問題外だが、画風は少しずつは定まりつつあると思う。牛歩そのものではあるが、確実に一歩ずつ進んでいるはず。
 よーし、昔の恥ずかしすぎる絵を見て、なんだかやる気が沸いてきたぞ。今日は、寝るまでひたすら練習だ!!一日でも画力を向上させるためにも、自分の目標を達成させるためにも。

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 この『物語』はぼくが歩き出す物語だ。

 冒険も日常生活も旅行も脱獄もレースも大好きな蔵間マリコです。
 週刊少年ジャンプから連載開始してウルトラジャンプに移行して、足掛け7年近く。ついにあの冒険も完結したか…。世界各国からも高く評価されているアドベンチャー漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の第7部『STEEL BALL RUN』(以下、SBR。)が。
 いや~、あの最終盤の復活したDioとの対決での敗北からどうやって着地するのかと不安でしたが、あの方法で終わらせるとは…。手段を選ばない男であるDioとしては、ちょっと呆気ない最期ではあったけど、第1部から第6部まで読んだ人に対する御褒美的な内容でもあるSBRとしてはアリじゃないかな?如何にも、頭脳戦や心理戦を重点に置いたジョジョらしいともいえる展開ではあるし。
 しかし、ジョジョシリーズ特有の終わり方といえるのかもしれないが、相変わらず寂寞感が凄いったらありゃしない。出会いや死闘を乗り越えて迎えるのは、一つの平穏や新たなる門出。それが、ジョジョの登場人物たちが望んだものだろうけど、いざ終わるとなるとなあ…。長い長いと感じつつも、もう少しジョニィの物語が見たかったものである…。

 さて、19世紀末の北アメリカで行われた命懸けの横断レースを描いたSBRだったが、自分にとって、このSBRはどのような作品だったか?
 自分がSBRの一番のテーマとして感じたのは、『信念』だな。賞金60億円という莫大な賞金が懸かっているから死亡者が出るのはレースになるというのもあるかもしれないが、それ以上にこのレースを人生の転機とするために参加する者もたくさんいる。勿論、主人公であるジョニィ・ジョースターや人生の師であるジャイロ・ツェッペリもその1人である。
 自らが原因で兄を亡くし、父には見放され、更にはとある事件で車椅子生活を余儀なくされたジョニィ。そんな鬱屈とした日々を送っていたのだが、SBR開催日当日にジャイロと出会う。ジャイロは最初、1人の少年を助けるためという自らの目的を果たすためにレースに参加をしていたのだが、レースを介するうちにジョニィに自らの技術と人生を切り開く術を教えた。ジャイロ自らの信念と共に。
 しかし、レース終盤、ジャイロはファニー・ヴァレンタイン大統領に殺害されてしまう。人生の道標を失い、絶望に打ちひしがれるジョニィ。だが、ジョニィはそんな窮地から立ち直り、大統領という巨悪を倒した。そして、レースに優勝する事は出来なかったが、見事完走できた。優勝という栄光を取り逃したものの、自らの信念を貫いて青年から大人へと成長した。これこそが、ジョニィにとっての真の栄光であろう。
 その信念というテーマは、ジョニィやジャイロだけが言える話ではない。他の登場人物だってそうだ。自らの許しを乞うために聖人の遺体収集をしていたホット・パンツも、父親に復讐する事を目論んでいたDioことディエゴ・ブランドーも、正当な方法で白人から土地を奪い返す事を目指していたサンドマンも、男の世界という独自の美学を貫いたリンゴォ・アゲインロードも、市民権と地位を得るために戦っていたウェカピポも、揺ぎ無い愛国心を持ったファニー・ヴァレンタイン大統領も。目指す方向は違うが、皆が皆、ぶれずに信念を持って行動している。その信念の強さというものこそが、ジョジョシリーズの根源のテーマである『人間賛歌』といえよう。

 長い長いレースも閉幕したSBR
 さて、来月からジョジョの奇妙な冒険PART8『ジョジョリオン』が始まる。第4部の舞台であったM県S市杜王町で再び物語が始まるのだが、どうなる事やら…。自分としては、第4部で描かれなかった丈助の過去に登場したリーゼントの男の正体を描いてほしいものである。あと、宇宙人の正体も。

 よくよく考えたら、色々使われていたなあ…。

 アニメ黎明期を支えた人たちも今を頑張る人たちも凄いと感じている蔵間マリコです。
 先日、『エースをねらえ!』や『ベルサイユのばら』などを手掛けた事で有名なアニメ業界黎明期からの偉人、出崎統でざき おさむ)さんが67歳で亡くなられた。自分は最初、この速報が耳に入った時、軽いショックを受けてしまった。数年前に写っていた写真を見るからに、そこまで体が悪そうに見えなかったのだが、肺がんが原因でお亡くなりになるなんて…。まあ、ヘビースモーカーであるという事は何処かで聞いたことのある話なのだが。
 それにしてもここ最近、首藤 剛志しゅどう たけし)さんや今 敏こん さとし)さんといったアニメ業界を初期から支え、後世のアニメーターに多大な影響を与えている方々が立て続けに亡くなっているが、今度は出崎統さんが亡くなるとは…。今のアニメ業界を支えている一線級の人たちは比較的若い人が多いかもしれないが、こういった大ベテランの方々がいるからこそ、今や後世のアニメ業界を支える人たちが輩出される。今回の件は、アニメ業界にとって相当なダメージであろう。

 故・出崎統。アニメ業界の視覚的技術・技法の進歩に大きな影響を与えたアニメ監督だった。
 彼の使う技法は、回想シーンやCM・エンディング突入直前のラストのコマを一枚絵で収める事によって、視聴者にインパクトを与える『止め絵』や、印象付けたい場面を3回程度スピーディーに繰り返しに流す『繰り返しショット』、セルにわざと光を入れることによって血や吐瀉物の表現を緩和する『透過光』といった技法が有名である。普段はあまりそのような技法の事を気にしてみることは無いかもしれないが、今のアニメでも所々使われていたり、またはこれを変化させた変則的なものがかなり多い。
 自分もアニメ監督出崎統氏の作品には、随分御世話になったクチだ。劇場版CLANNADウルトラヴィオレットといった晩期の作品は良い出来とは言い難いが、ベルサイユのばらあしたのジョー2ガンバの冒険といった初期の作品は秀逸そのもので、後世に伝わってもおかしくないものばかりである。
 特に、ガンバの冒険は今でも記憶に鮮明に残るほどの衝撃的なものだ。中でも、ガンバたちに立ち塞がる最大の強敵、白イタチのノロイのインパクトは相当なもの。赤い眼光から放たれるただただ冷たく残忍なまでものオーラ、圧倒的な威圧感を引き立たせるために劇画タッチの作画。そして、最終話の執念深く蘇ったノロイの出現シーン。行動そのものも凶悪である事には変わりないが、どちらかといえば、作画によっての恐怖を煽る事に非常に長けていたキャラといえる。そこは、視覚的な技法を重視した出崎統さんらしい演出といえよう。そんな名アニメーターがなあ…。

 様々な作品を手掛け、多くの視聴者に衝撃を与えた出崎統氏。
 まだまだ多くの作品を輩出してほしいと願っていたのだが、このような事になってしまうとは…。ご冥福をお祈りします。

  

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