二連荘でガンダムネタを。
ひりつくような熱い戦闘が見たい蔵間マリコです。
今日の夕方、某所にてあるガンダムの漫画を買った。現在、ビッグスペリオールコミックススペシャルで連載中のSF漫画家・太田垣康男の注目作『機動戦士ガンダム サンダーボルト』(以下、サンダーボルト)だ。
ガンダムの漫画と言いますと、基本的にガンダムエースをはじめとした角川系列、または古くは電撃系列か今は亡きコミックボンボンが相場なんですけど、ビッグスペリオールにおいてのガンダムというのはこれが最初。しかも、上記のように月刊雑誌ではなく、隔週漫画雑誌。そのためか、ガンダムファンの間でも注目されている作品の一つである。当然のことながら、俺もその一人である。
で、今回は、サンダーボルトの記念すべき単行本1巻の感想をダラダラと語らせてもらう。独断と偏見、そして駄文にまみれた感想ですが、興味がありましたらどうぞ最後まで読んでください。
さて、この機動戦士ガンダム サンダーボルトだが、どのような物語かというと『一年戦争末期、ア・バオア・クーの補給路であるサイド4コロニー『ムーア』の残骸宙域『サンダーボルト』を巡って、連邦軍とジオン公国軍が戦争を繰り広げる』というもの。まあ、コンセプトとしては、比較的多い一年戦争の外伝作品ですね。で、この漫画の最大の特徴は言うと、一年戦争でありながらも、作者の独自の観点でSFが描かれているという事だ。
その代表格的なのが、連邦軍の主力MS、GM。従来のGMは、ガンダムの廉価版というコンセプトのため色々とオミットされているのだが、サンダーボルトにおいてのGMはガンダムと同じくコア・ブロック・システムを採用している。
それと同じくらいに特徴的なのが作品で登場するガンダム、フルアーマーガンダム。フルアーマーガンダムは肩にキャノン砲を一門背負い、カラーリングは緑を基調とした武骨な機体だが、サンダーボルトでは違う。既存のデザインのものとは大きくかけ離れたデザインとなっており、どちらかというとガンダムアレックスとパーフェクトガンダムの中間的な姿として描かれている。
他にも一部食事の描写や科学的な設定、台詞回しが従来のガンダムのSF描写ではなく、一般的な宇宙戦争もののSF的として描かれている。先人で例えるなら、ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダムのようなものであろうか?
だが、それとは違い、見た目だけを取り繕ったハリボテ的なSFではなく、太田垣康男独自の一年戦争という洗練されたイメージが確立されている。ガンダムがみたいという感覚で見ると多少肩透かしを食らうかもしれないが、SFとしての完成度はかなり高い。
一方の戦闘描写に関しては、比較的シンプル。それでいながらも、熱い。ジオンによって故郷を奪われたもので構成された、地球連邦軍ムーア同胞団のエースパイロット、イオ・フレミングが駆るフルアーマーガンダム。一年戦争で欠損した者で構成されたジオン公国軍リビング・デッド師団の義足の狙撃手、ダリル・ローレンツのザクⅠと新兵器・ビッグガン。この二人の戦いに焦点を絞られている。
いかにして超長距離からの狙撃を掻い潜り接近をするのか、連邦の最新鋭MS相手に己が腕のみで命中させるのか。信念と信念のぶつかり合い、1ショット1キル、消耗する体力と乱れる呼吸、血と汗と鉄の世界。そして、互いのパイロットの回線から流れる海賊放送、サンダーボルト放送局の旧世紀の名曲。
とことん泥臭いミリタリーを描いたガンダム、それがサンダーボルトの特色と言えよう。そのため、好き嫌いがはっきりと分かれるかもしれないが、自分はドンピシャだったな。
癖は強いが、SF好きにはたまらない機動戦士ガンダム サンダーボルト。
雑誌が雑誌だけに大人向けの構成となっているが、風変りでありながらもハードなガンダムの漫画が読みたいという人にはまさにうってつけの作品である。もし、そういうのが大好きというのは買ってみてはいかが?
機動戦士ガンダム サンダーボルトの評価
満足度 ☆☆☆☆
ガンダム度 ☆☆☆
SF度 ☆☆☆☆☆