大好き作品なのに、すっかり忘れていた……!!
ファンタジーもの大好きな蔵間マリコです。
今日、地元の大型複合書店でのこと。自分はライトノベルの腕前を上げるためにも、小説のコーナーへと行った。手当たり次第というわけでもないが、何か琴線に触れるような作品がないかと思いつつ。
すると、最新刊のコーナーに、あるものを発見する。小野不由美の代表作ともいえるファンタジー小説『十二国記』の新装版『図南の翼(となんのつばさ)』が置いているではないか。
いや、図南の翼自体はとっくの前に読んでいますよ。ただ、十二国記ということで、あることを思い出したんですよ。7月頃に新作『丕緒の鳥(ひしょのとり)』が発売されていたことを。
てっきり忘れていましたよ。十二国記の新作が出るということは知っていましたけど、その間に色々と小説を買ったり(半分の月がのぼる夜とか赤川次郎作品とか宮部みゆき作品とか色々。月10冊ペース)していたので、記憶が風化しちゃって……。ということで、ノータイムで丕緒の鳥を買いました。満足満足。
とまあ、小野不由美の名作ファンタジー小説を買いましたが、今回は、この十二国記について話したい。
十二国記。小野不由美の作品というと藤崎竜のコミカライズ版『屍鬼』なんかで知っている人がいるかもしれないが、代表作を1作挙げろと言われると、こちらの方に軍配が上がるであろう。
主人公である中島陽子が慶麒(けいき)と呼ばれる謎の男に、十二の国で作られた異世界へと導かれる。そこで、様々な困難や人々との出会い、国を揺らがす陰謀があり……。とまあ、適当に説明すると、こんな感じになる。
この作品の魅力はというと、独特の世界観であろう。古代中国のような雰囲気がありながらも、生物や生活形態、歴史は全く異なる世界観に、国を統治するために不老長寿を与えられた王、国が傾くと病気に罹り、死ぬとともに国が亡びると言われる王の側近である麒麟、十二の国の中央にある蓬山(ほうざん)に住む天帝と仙人、こちらの世界とあちらの世界を繋ぐ蝕と呼ばれる災害……。一般的なファンタジーものとは、全く違った世界観で構成されており、小野不由美の独創性が垣間見える。
だが、それだけがこの作品の魅力ではない。登場人物一人一人の思想や想いといったものが、しっかり描かれているところも作品としての魅力の一つだ。国を滅ぼさないためにも四苦八苦する王、国をいい方へと転がそうとしたり、傀儡にしようとしたりと様々な思惑が入り乱れる王を支える官たち、そしてその国に生活を大きく影響される民たち。国の上から下まで、そういったものが余さず描かれているため、世界をしっかりと堪能することが出来るのだ。
ちなみにアニメ版もあるが、そちらもおススメ。原作のイメージを壊さず、有名声優たちの名演技もあり、OP・EDも壮大で、NHKのアニメの中でも5本の指に入るほどの出来。宙ぶらりんで終わっているところとアニメオリキャラ2人(1人は原作にも登場するが、殆ど別物なので事実上オリキャラ)が微妙という点を除けば、見る価値の高いアニメと言えよう。もし、レンタルビデオ店で見かけたら、ぜひ借りてみてはいかが?
一般的なファンタジーとは違った味のある十二国記。
丕緒の鳥は、まだ読んでいませんでしたけど、12年ぶりの新作だけに、マジでワクワクしています!!さあ、今日と明日の2日がかりで読むぞ!!