回転率速いなあ…。


 


 週刊ヤングジャンプのノノノノを毎週応援している蔵間マリコです。


 最近、ヤンジャンを読んでいる際にたびたび思う事がある。ここ半年でのヤンジャンの漫画の回転率がやけに早いんじゃないかと。今週、ヤンジャンを見たら明日泥棒って言う漫画が月刊ヤングジャンプに異動する事になったていた。まあ、俺も途中で打ち切ったからそこまで人気が無かったんだろうな。なんだかイマイチ面白くない漫画は、月刊ヤンジャンに異動するっぽい。どうやら月刊ヤンジャンは、ヤンジャンじゃあスタメン張れない漫画が異動する場所になっているようだ。ていうか、今年の6月か7月ぐらいに、唐突もなく創刊したのはこれのためかも。


 ジャンプと言えば、恐怖の10週打ち切りで有名だけど、結構柔軟な姿勢を見せるもんだな。人気があまり出ない漫画家をいきなり解雇にせず2軍に落として、代わりに人気のある漫画家を投入したりと。だから、最近のヤンジャンは全体的に面白いって訳か。しかし、たんも2軍落ちにならないように頑張ってほしい。


 さて、前説はこれぐらい。こっからは、いつものコーナーに行きますとな。


 


 第53話『あのころは


 


 「野々宮!!起きろ野々宮!!」


 岸谷の悲痛な叫びが会場全体に響く。だが、そんな叫びなど届くわけがなく、悠太の応急処置と病院への搬送準備が行われる。御坊は、岸谷の不可解な言動に苛立ちを隠せない。それもそのはず、怪我人を病院に搬送する事は当たり前のことなのだから。しかし、このままでは悠太の女である事がばれてしまう。岸谷は、悠太が目覚めるようひたすら叫び続けたのだった。


 


 『野々宮?』


 『野々宮ってだれだっけ?』


 『聞いたことがあるような…?』


 『そうだ、確かお母さんの昔の名前―――、私の名前は―――。』


 


 10年前。


 雪積もる山の中で、瓜二つな顔している兄妹が父親の運転する車に乗っていた。雪の影響か足場が悪い。しかし、兄妹はそんな事を恐怖とせず、寧ろその状況を楽しんでいた。


 その兄妹は幼いながらも年齢相応には見えないほどの腕前のスキーさばきを見せていた。そんな光景を父親が見ていると、後ろから一人の男が話しかけてきた。スキージャンプ選手である父親の先生のようだ。先生は父親の息子娘のクロスカントリーのスキーテクニックを見て感心をする。特に、妹の方はスキーしか取り柄のない町でも見たことのない実力だと褒めたたえる。しかし、父親は娘よりも才能のある子供がいると返答する。それは百年に一度の神童と言われた男、兄妹の父親である由良悠介本人である。だが、先生は当時の由良と比較しても、兄妹の方が実力が上だと語る。


 先生は、由良にオリンピックへの調子が整っているか質問する。由良は答える、絶好調であると。ジャンプ選手の現役期間だった頃、怪我に悩まされていたが、兄妹のために思い出を残さなければ。「おれは、金メダルを獲りますよ!!この子たちに最高にかっこいい父親を見せたいからね!!」、由良は先生にそう自負する。最後に先生は、由良の脚の怪我の件を聞く。由良は、まるでそんな怪我なんてなかったように素っ気なく返答をした。


 車に乗って、帰宅する由良親子。だが、それを見守る先生は複雑な表情だった。世界大会を何度も制覇しながらも、怪我が原因でオリンピックに出場できなかった男、由良悠介。その肩書は『ガラスのエース』。しかし、なんとかオリンピックへのチャンスが回ってきたのだから。


 


 父の運転していた車は、家へ到着。その間、兄妹はスキーの疲れか熟睡だ。


 父は、いつものように家に「ただいま~。」の挨拶をする。それに答えるかのように、その男の妻は「おかえり~。」と言う。妻は、小刻み気味に歩きながら夫にあるものを見せる。それは、由良悠介が金メダルの本命と言う記事の載ったスポーツ新聞だ。だが、妻は喜びだけでなく不安もある。テレビ局からの取材申し込み、そして夫がオリンピックで失敗した時の反発。だが、夫はそんな不安の微塵もないようだ。注目されるのは、自分の実力が認められているからだ。それに、ジャンプ競技3種目に出場するのだから。金メダルの1個は取れるだろうと、余裕を見せる。


 まるで幸せな家族を絵に描いたような光景。両親と兄妹二人、笑顔で一家団欒の日々を送っていた。


 


 『あのころ私は―――、お父さんは、絶対、金メダルを獲るんだって信じて疑わなかった。』


『でもお父さんは、今日、ひとつだけ、うそをついていた。』


 


 ノノが生死の淵を彷徨っているうちに回想に突入と言う事か。しかし、見事に例の読みが外れましてねー。このまんま病院送りになったら、死亡フラグが立つから誰か(自分は、先々週初登場した真岡だと思っていたが。)が仲介に入って、なんとかその場が収まるって言う展開の予想だと思っていたのだが、そのまま意識が無い状態なのね。まあ、真岡が止めに入ったって無駄な状況だから、そもそも間違えだった予感はしていたのだが。


 だが、応急処置をする際に、スキーウェアを鋏で切っているシーンがあるのだが、あの時点で救護班はノノが女である事に気づくような…。いくら、ボンテージつけて胸をまな板にしているとはいえ、無理がありすぎる。それに、本人も「また胸が大きくなった。」と発言しているし。そこの所は、倫たんの漫画独特の突っ込みどころと言う事で、あまり気にしない事にしておこう。気にしていたら、キリがない。


 さて、回想に入ったことなのだが、のっけからものすご~~~く痛い展開ですね。今回だけを見たら、なんだか幸せに見えるけど、すでにノノの過去はある程度明確になっているからね。オリンピックで、父親が失敗ジャンプして国賊扱いされて、兄は妹よりもスキージャンプの実力が無いから虐待される。挙句の果てには、放火沙汰だからね。もう何が何だか…。そういえばエルフェンリートの時も、同じ手法を使っていたな。断片的に、幼き日のコウタとルーシーの悲劇が描かれていて、しばらく経ってからルーシーの過去を公開する。あと、蔵間も。たん、この手法が好きだね。俺は、こういうの一ファンとしては好きだぞ。


 ただ、ノノと悠太が当初はクロスカントリーをしていたのは意外だった。恐らく、そっからスキージャンプに転向したのは仇打ちと言う意味合いだろう。その失敗ジャンプに対しての伏線も張っていたね。と言う事は、転倒の原因は無理にジャンプした事じゃなくて、怪我の影響かもしれないな。ただ、その怪我の原因はノノも転倒した理由の恐怖の無さあたりだと思う。鴉の子は鴉と言うしね。今回、見る限りの性格ではそんな要因が多い。


 


 やっぱり、たんは回想シーンの出来が高いな。これだから、毎週楽しみに待てる。


 さて、来週の由良一家の転落人生はどうなる事やら…。


 なんだか、人の不幸を喜んでいるようで胸が痛い…。


 


 ノノノノ 53話の評価


 


 満足度 ☆☆☆☆


 スポーツ度 ☆☆☆☆


 幸福度 ☆☆☆☆☆