ついに、あれが単行本でもお目見えか…。


 


 連載2周年も突破して、これからも変わらず応援する蔵間マリコです。


 さて、ノノノノも2周年を迎えて、ますます面白くなってきました。先週から新章に入り、岸谷以上の一般ピープルなキャラ(本当かなあ?)も加わってきて、ますます混沌してきました。これで、ますますノノの正体がバレかねない状態に。毎週がハラハラドキドキで溜まりません。「これ以上、ノノの夢を阻む者たちが現れないでくれー。」と叫びたいですよ。もう、すでに何人かに正体がばれているのに。チームメイトの岸谷にも…。


 そうそう、岸谷といえば、来月の19日、ノノノノの最新コミックス8巻が発売されるんですよねー。たんの追っかけファンとしては、これ以上に嬉しい事はありません。リアルタイムで読んで、そして単行本で補完する。まさに、たん様々です。


 しかし、どうやらその8巻であの問題の話が収録される模様。あの小市民・岸谷が人としての道を踏み外してしまった、『寝込みにノノ全裸事件』。あれは、見ていて凄く複雑な気分でしたよ。「ノノの体、エロイなあ。」とも思ったし、「この外道が!!」とも感じたし、「これ以上エスカレートしたら、目を覚ましてしまうぞ!!」とも止めてやりたかった。まあ、その結果、岸谷は大型地雷を踏んでしまうのだが。ある意味、ノノノノの最大の山場かもしれない。さて、コミックス収録時はどのように加筆修正されている事やら…。話に触れない程度に変更して欲しいもんだ。


 さあ、最新コミックス8巻の告知はこれぐらいにして、毎週の行きますかと。


 


 第94話『捨てたものはなんですか


 


 スキージャンプの天才、成績優秀、そして男女問わず惚れるような顔つきで、まさに学校のアイドルの野々宮悠太。


 だが、人気者がそれを良からぬと感じている男たちに囲まれている。どうやら、彼らは普通科の生徒のようだ。何故、彼らが悠太を妬む?それは、普通科に所属している人間が、体育科に所属している人間に成績で負けることを屈辱以外他ならぬからだ。


 健は木陰で、その囲まれている様子を怯えながら見つめる。相手は7人。それに、悠太よりも大きい人がいる。あまりにも不利だ。こちらも助けを呼んで、どうにかしないと…。でも、それじゃあ間に合わない。彼の頭の中で葛藤が起こる。


 そして、悩んだ末、結論が出る。悠太を助けるために、勇気を搾り出し登場する。健は、目つきの悪い男たちから振り払おうと大声で叫ぶ。だが、男たちはその程度では動じない。それどころか、邪魔だと小突き吹き飛ばす。


 瞬間、その男の後頭部に向けて悠太の蹴りが炸裂する。突然の不意打ちに逆切れをする男達だが、悠太はそれに耳を貸さず、健を助けに行く。助けの手を差し伸べる悠太、そして「佐藤くん!!大丈夫?」と心配する。彼は知っていた。今まで一度も彼に話したことない健自身の名前を。


 にじり寄る男たち。それに勘付いたのか、悠太はバーベルを片手で振り回し、近寄らせない。悠太は挑発する、「こいよ、まとめて相手してやる。」と。バーベルを持った悠太に、卑怯者呼ばわりをする男。彼らも、多勢に無勢に卑怯者である事に関わらず。それを聞いて何を思ったのか、悠太はその手からバーベルを離す。これは、チャンスと男はそれを回収。しかし、彼は甘かった。勉強ばかりしていない男には、この20キロ程度のバーベルすら持つことなど出来なかったのだ。バーベルの錘が彼の足に直撃。脂汗をかきながら男たちは、バーベルを持ち上げようとするが持ち上がらない。


 悠太は、男たちに睨みを利かせる。この程度のバーベルすら持ち上げる事もできない分際で、襲おうとは。彼らは、ここに来て悠太のを本質を知った。自分達の得意分野の勉強で勝てない相手に、悠太の得意分野の運動でも勝てるはずがないと。


 


 ほうほうの体で逃げる男たち。わざわざ助ける必要など無かったと恥じる健。そして、悠太は…。意外、この苦境に恐怖していたのだ。男を7人相手に、いくら運動神経が良かろうが勝てるはずが無い。それに、あのトラウマが…。女としての本質が、もう少し出そうになった事に、悠太は顔を手を覆う。


 だが、健の前でそんな顔を見せれるはずが無い。空元気に立ち直る悠太。健は、悠太が自分の名前を知っていたことを光栄に思う。しかし、悠太にとって、クラスメイトの名前を全員覚えているのは当然の事だ。みんなと仲良くしたいのだから。


 健は話の路線を変え、金メダルの話をする。彼の祖母の話によると、夢を叶えるためには何かを切り捨てないといけない。生活、時間…。だけど、彼には悠太はそのどれを割いている様には思えない。健にとっては、悠太が完璧な存在だと思えたのだ。


 健にとっては、完璧な存在。だが、悠太には誰にも語れぬ決定的に欠けた部分があるのだ。女の子である事。女の子としての生活に、女の子としての恋心。スキージャンプの女子競技が存在しない以上、女の子としての生きることを捨てないといけないのだ。だから、数分前の出来事にだって耐えなければならない。それが、どれだけ大変な事なのか…。故に、彼の羨む気持ちで、心が痛む。もし、自分が男の子であれば…。


 悠太は、言葉少なく健と分かれるのであった…。


 


 その夜、ノノはある一大決心をする。


 ベッドの上に置かれた一枚のブリーフ。そう、彼女は男として生きる入門としてブリーフを人生初めて履くのだ。恋もしたい年頃の女の子が、ブリーフ。彼女いや女性には、この行為は屈辱他ならぬ。だが、金メダルを取るためには、そのくらい決意をしなければいけない。全裸のノノは、恐る恐るブリーフを履く。


 そして、鏡に映ったブリーフを履いた彼女自身に愕然とする。力なく、膝を突くノノ。白目、涎、呆然、落胆。彼女の中で、何かが壊れたようだ。


 


 彼女は、独白する。


 「私の中の乙女は―――、今、完全に息途絶えた。さよなら、さよなら女の子。」


 


 いや~、今週もなかなかの傑作でしたねえ。健視点からの展開から、悠太視点へバトンタッチ。そして、ばいばいおにゃのこ。何か、慌しい内容であった。


 さて、先週、男たちに取り囲まれピンチピンチの展開でしたが、やっぱりあっさりと切り抜けましたね。それも比較的、平和的に。殴ったといえば、空中蹴りぐらい。バーベル振り回してもそれに誰も当たっていないし、バーベルを離したのも、別に勝手に拾おうとした結果だしね。てっきり悠太だから、次の話にはフルボッコの状態かと思った。いや…、それはIHが待ち構えているからNGか…。


 それにしても、悠太が女であったとしても、頭でっかちな野郎7人相手に負けるようには思えないのだが。柔道の全国大会ベスト8のホモの尾形だって、自慢の脚で踵落しでノックアウトしたし、ア○ルショップ先輩を河に蹴り飛ばしたぐらいの力はあるのだから、充分勝機はあるでしょ。あの蔵間似の男を、ジャイアントスイングしてバッタバッタと薙ぎ倒して…。いや、流石にそんな化け物じみた事を出来るわけないか…。まあ、それをまんま再現している男が一人いるのだが。


 次に悠太と健。いや~、悠太もなかなか苦労しているんですねえ。普段話さないクラスメイトの名前も全員覚えてたり、人前で泣かない様に努力したり、妙な憧れを抱かれたりと…。自身が女の子である故に、正体を隠せば隠すほど、良心が痛む。それも、ノノが目指すものは確約した願いじゃないからなあ…。辛いですねえ…。その才能を憧れる健には、全く罪はないけどね。世の中、そういう人はたくさんいるのだから。


 だが、あのブリーフという選択肢は…。別に、そこは変える必要の無いような気がする。変えたとしても、根本的な解決になるわけではないのに。それで気持ちが切り替えれたとしても、他にも選択肢があると思うが。そもそもブリーフじゃなくて、トランクスという選択肢はなかったのだろうか?トランクスなら、履いている女性もいるらしいし。まあ、あのブリーフを履いた時の半裸の悠太の表情には笑わせてもらいました。


 


 さあ、ノノの気持ちも切り替えて(?)、金メダルの夢を目指すことを再確認したノノノノ


 次回は、どのような展開が待っているのやら…。IHの対策云々の話になるらしいが…。


 


 ノノノノ 94話の評価


 


 満足度 ☆☆☆☆


 スポーツ度 ☆☆☆


 ギャグ度 ☆☆☆☆