来週も、少し寂しいな…。


 


 クリスマスでも、ノノノノを応援する蔵間マリコです。


 さて、今年最後のノノノノのコーナーが来ました。先週のヤングジャンプは合併号で休み、そして来週も合併号で休み。だからこの今週の木曜日というものが、非常に有り難く感じます。クリスマス以上にね。


 さて、前号が合併号だったので、軽くおさらいをする。壮行会で悠太が型抜きに続いて、ピアノでも不器用っぷりを発揮して、岸谷はタバスコ一気飲みの大道芸を見せ、悠太と暁の勘違い告白。そして、みかげが風呂に乱入と全体的に恋愛方面へと話が進行。今まで、スキージャンプ方面や日常生活を趣を置いていて、あまり恋愛話に関しては進展は無かったですけど、やっとこさ進んだと行ったところか。


 ただ、その恋愛というのが三角関係になっているし、その矢印がとんでもないもの。悠太は暁の事が好きだけど、自分の夢のためにはその事を告白する事が出来ない。暁は、みかげの事が好きだけど、彼女自身はそんな気は無い。みかげは、悠太の事が好きだが、悠太は女性だし、そういう恋愛感情は無い。三者が三者、片思いな歪な三角関係を見るのは初めて。ホント、これから先の展開がスキージャンプ同様に気になる所。


 さあ、その三人の恋愛事情は、どうなったことやら…。


 


 第101話『いいのに…


 


 「いいよ…、悠太…。」


 風呂に入って、すっかり無防備の悠太の前に現れたみかげ。彼女は、浴槽の中で悠太に抱きつく。悠太が女であることに気付いていないまま。


 絶体絶命の状況の悠太は、どうにかしてこの状況を打開しようと思案するのだが、みかげの思い切った行動に出る。悠太の肩に、甘噛み。そして、舌での愛撫。気持ちの良すぎたのか、ビクビクと痙攣をして女の子のような声を上げる。


 悠太の反応に喜ぶみかげだが、悠太は必死に抵抗する。しかし、みかげは行動は更にエスカレートを増す。悠太の胸へのタッチ。これは不味いと、みかげの手を掴む悠太。露骨な拒否反応。彼女にとって、胸を触られることは正体がバレる事と同意語である。それに、倫理的にも…。


 だが、それは彼女も分かっている。こんな事が倫理的にいけない事が。でも、こんな強攻策に出たのも、悠太がみかげ自身に興味を持っていないからだ。友人としてのみかげでなく、異性としてのみかげを。


 恥ずかしいと分かってここまで尽くしたけど、それでも駄目だった。彼女は、言葉少なに風呂から出る。その時、悠太は初めて見たのだ。みかげが自分の前で泣いている所を。背中からでは彼女の表情は読み取れないが、その背中が語っている。


 自分の一言で、彼女を傷つけてしまった。これ以上、彼女を傷つけないためにここは…。


 


 その夜、みかげは失意のまま寝付けないでいた。自分の精一杯の気持ちが悠太には伝わらなかった。そんなショックで、なかなか寝れない。


 そこに、背後から悠太が悠太が現れる。悠太が彼女の前に現れたのは、覚悟したからだ。自分の気持ちをはっきりと伝えるために。これ以上、みかげを傷つけたくないからだ。


 悠太は語る。自分は、コウロギのことが好きだ。ただ、今まで自然と避けていた。何故避けていたか?それは、自分がみかげには見られたくないものがあるからだ。本当は、みかげともっと仲良くなりたいんだけど…。


 悠太は、みかげの寝るベッドへとごそごそと入る。突然のラッキーなハプニングにみかげは動揺。それでも、彼女は素直な気持ちになれない。あの時、あんな態度をとったからHな事をさせない。でも、それは悠太は分かっている事だし、それを望んでいるわけではない。みかげに抱っこをするだけだ。無言で返事を返せないみかげだが、それ関係無しに悠太は抱きつく。


 背中から伝わる悠太の体温。ベッドの中は、二人の体温で何時もより温かかったのであった。


 


 翌日、長野駅にて。


 暁は、全日本ジュニアの海外遠征で日本からしばらく離れる。それぞれ期待の言葉をかけるスキージャンプ部のメンバー。だが、連れ添いで来たみかげだけは、ツンケンとしている。悠太は、壮行会の会話を盗み聞きされたことを暁に小声で教える。それを聞いて、暁は何時になく爽やかな表情を見せる。彼は、みかげの事が好きだからだ。


 明後日から始まるコンチネンタルカップ。IH以上に大きい大会である以上、金メダルどころか6戦のうち1勝を取る事も困難であろう。そこで、みかげは豪語する。もし、この大会で1勝でもすれば見直してあげる。そして、褒美にフレンチキスでも…。しかし、暁にってそんなものは不要である。彼にとって必要なのは、自分を見てくれる人がいれば充分なのだから。


 複雑な表情の二人。それに気付かぬ暁は、遠征のため日本から旅立つのであった…。


 


 それから、2日後…。コンチネンタルカップで大変な事が起きていた。


 天津の優勝だ。全日本ジュニア最初の大会で、暁が見事優勝したのである。


 暁の幸先良い海外デビュー。それに対して悠太は、暁の期待に応える事が出来るだろうか!?


 


 今週は、なかなかと前半は濃い内容であった。ノノとみかげのお風呂のシーンに、謝罪の抱っこ。自分が期待していたもの以上であった。しかし、後半は少し駆け足気味な感じがする。話の半分が悠太とみかげで使った分、残りの後半もその話題で進めてほしかったな。


 さて、風呂で背中から抱きつかれて大ピンチだった悠太でしたが、なんとかみかげたんには小隊がバレずに済んで一安心でしたね(まあ、百合展開も見たかったけど。)。無理矢理やり過ごしたとか言ってはいけません。みかげたんが、天然の入ったツンデレだったから何とかなったんです。


 まあ、それはともかく風呂での二人のやり取りは本当にエロイの一言。甘噛みとか、舌でペロペロ舐めるって…。これは、ガツンと来た。風呂のシーンといえば、エルフェンリートのにゅうが風呂に乱入するシーン(あのにゅるっていう擬音と気持ち良いあまりに泣いているシーンがまた…。)が好きでしたが、多分、これはそれ以上にヤバイ。『はむ』とか『チロチロ』とか…。ノノがそんなに嫌なら、代わりに自分が犠牲になってもいいですよ!!


 しかし、恋愛の話になるとちゃんとシリアスのスイッチに切り替わっているところは上手である。ノノは確かにみかげのことは好きだが、あくまでもライクであってラブではない。そりゃあ、ノノは女の子だからね。正体もバレてはいけないし、女の子同士では付き合えない(性転換しろとか言うなよ。なんか、そんなネタを同人誌で描きそうな人がいそうだから怖い。)。だから、当たり障りの無い言葉で断っているのは分かる。でも、そんなマイルドな突き放し方だから、みかげを傷つけたのかもしれない。近すぎず遠すぎず…、自分と他者を傷つけないって難しいもんだな。


 で、悠太がみかげのベッドに入るシーン。あの流れは、結構好きだな。突き放してしまった代価行為としての抱っこ。みかげのフラストレーションもある程度解消しただろうし、ノノの正体が当面バレないで済むと思う。そして、あのみかげの「あったかい…。」の一言。シンプルでベタベタな台詞だけど、それであるが故に説得力がある。絵になるシーンだなあ…。


 


 今年のノノノノの話題はこれまで。


 さて、来年のノノノノは果たしてどのような展開に?ノノは?暁は?みかげは?それぞれの夢は、叶える事が出来るだろうか?


 来年も、頑張ってくださいね!!岡本倫先生!!


 


 ノノノノ101話の評価


 


 満足度 ☆☆☆☆


 スポーツ度 ☆☆


 恋愛度 ☆☆☆☆