君は淫らな僕の女王 単行本

 こう見えても、青年誌の漫画ですよ?

 癖の強い漫画が大好きな蔵間マリコです。
 紆余曲折がありましたが、やっとこさ番が回ってきました。週刊ヤングジャンプミラクルジャンプで大人気を博した岡本倫横槍メンゴの異色のタッグ作品『君は淫らな僕の女王』が。
 発売されてから5日、こうやってブログの記事としてはかなり旬を越したかもしれませんが、なんだか色々と凄いことになっていますねえ。東京方面だと殆どの店が売り切れ状態で、Amazonでも品切れ状態でプレミア価格がついていたり、第2版が発売されるのが3月10日になったりと。うちのブログも、アクセス数が今までの比にならないほどの数字になっているし、マイナーなカテゴリーとはいえ5位まで上り詰めていますし。たん大好き人間としては、一人でも倫たんのファンが増えてくれるのなら光栄な限りです。
 さて、そんな今話題の君は淫らな僕の女王の単行本ですが、今回は総まとめというか単行本としての感想を描かせてもらいます。当然ながら、エロ成分・たん成分入りまくりの内容ですので、そういうのが嫌だという人はここまで。別に大丈夫という人はどうぞ。
 掲載時も話題を呼んだ君は淫らな僕の女王ですが、コミックスもやはり強烈。加速する昴のエロス、それに振り回される斉藤。だがそれは快楽を求めるものではなく、あくまでも純愛。それを愚直ながらも、巧妙に楽しませる要素を散りばめさせている当たり、岡本倫の手腕と横槍メンゴ先生の画風が光るところであろうか。
 個人的にこの作品の見所は、再三語っていますが、岡本倫独特の台詞回しであろう。前回の君は淫らな僕の女王番外編のかんそうでも書いた、「……… しゃーない… パンツでもしゃぶるか」なんかもそうだけど、1話目の
立ちションまでしたことあるのに』や最終話の「オナニーするか…」といった、しれっと変なセリフを言わせる所が他の漫画家と一線を画したものがある。本当なら別の台詞でもいいんだけど、敢えて破廉恥なセリフを語らせる。アルマージュの「迎えに来てやったぞ 子持ち処女」やノノノノの「まずは受精から始めましょう」などなど……。細かい要素なんだけど、妙なセリフ回しで読者に笑いを誘わせる。これこそ、岡本倫という漫画家の魅力の一つではないのだろうか。
 あと、話が進むにつれての加速するエロ描写。読み切りの時点で、どうやってこれよりもエロい内容にするのかと毎回毎回気になりながらも読んでいたけど、その想像を超越するシチェーションを描く。それでいながらも、たんが好きなマニアックなフェチズムをあまり描かず(汁は相変わらず洪水ですけど)に、比較的メジャーな趣向に走らせる。そこがグイグイと読者を引き込ませる内容となっているのであろう。
 ちなみに、単行本では最終話の本番のシーンが加筆されている。これより少し前に連載終了した華麗なる食卓が掲載時にかなりやりすぎな本番(確か尻の穴を描いていたような……)で話題になったけど、こっちは購入者のみが見ることの出来るお楽しみ要素といった感じか。ギャグがあるわけでもないし、かといってネットリしたようなものでもない。描写としてはあっさりしたものだが、あくまでも台詞回しをはじめとしたギャグ要素を楽しむ作品だし、ラストのシーンに持っていくための溜めだと考えるとこれでいいんじゃないかな。
 そして、巻末のコメント。メンゴ先生・たんがともに書いていますが、両氏とも最後まで笑わされましたよ。メンゴ先生はメンゴ先生で、たんの汁フェチについてのコメントもありますし、たんはたんでまさにしてやったりと感じでいかにも楽しんで書いたと伝わってきますしね。メンゴ先生の描いた昴とたんの描いた昴を比較できるところも面白いですし。これほど愉快に漫画を描けるなんて、とても幸せなことかもしれない。

 最初から最後まで笑いとエロスの連続だった岡本倫横槍メンゴ君は淫らな僕の女王
 今は極黒のブリュンヒルデを描いているから、すぐというわけにもいかないかもしれないけど、いつかまたこのように誰かとタッグを組んで、漫画業界の話題を引っさらうような作品を生み出してほしい。