第22話が全く完成していません!!

 進捗状況が最悪なことになってしまった蔵間マリコです。
 先日は疲れすぎていたので更新できませんでしたけど、今日は更新しますよ。貧乏高校生の夏目大和とネコ耳宇宙人のデュタ、ミミとミューナとの共同生活を書いたオリジナルのSFファンタジーライトノベル『彼女たちの極秘事項(トップシークレット)』、略してカノゴクを。
 いや~、今日で第21話がラストだというのに、第22話の進捗状況が最悪であります。ページ数にして50ページちょっと、完全にモチベーションが落ちているというか、マンネリ状態に陥っているというか。これを始めてから5年近くは書いていますからねえ。自分の中では色々とアイデアが思い浮かんでいるんですけど、それを書き起こすのになかなか気力が湧かなくて……。ちょっとしばらく別のものを書いて空気の入れ替えをしようか?それとも、そのまま書くか?悩みどころである。
 とまあ、やる気がなかなか湧かない状態ですけど、それでも今週のカノゴクを更新させてもらいます。先に言っておきますが、お世辞にも上手な内容とは言えませんよ。それでも読んでくれると非常に有難いです。
 それでは、今回のカノゴクをどうぞ。 

第21話 帰郷(9)

 翌日。
 ついに広島を去る時間が来た。
 もう少しじっくりと羽休めをしたかったが、バイトのシフトをこれ以上空けるわけにはいかなかった。
 ただ、そらは違った。
 そらはまだ広島に用事があるようで、あと数日はここに残るようだ。そして、早朝から用事があると出掛けてしまった。いつもなら俺と一緒に帰るか、一緒に着いて来てほしいとか言うのに珍しいこともあるもんだ。
「残念だねえ。お金のことぐらいなら、お母さんが多少は出してあげるのに」
「俺がいないと、ジュリーのみんなが困るんだから仕方ないだろ」
「大和も成長したねえ。男子三日会わざれば刮目して見よとは言わないけど、一人暮らしさせて正解だったわ」
 お母さんは感慨深そうに頷くが、大袈裟にしか見えない。親心というものなのだろうか?
「デュタちゃん、ミミちゃん。また連休か冬休みにでも来なさい。その時は、大盛りに料理を準備しておくから」
「そうか、それは有難い。大和のお母さんの作る料理は、絶品だからな」
「ミミ、またたべたいにゃ!!」
 デュタとミミにとって、今回の訪問は社会勉強や思い出作りにもなり、実家へ連れて行った甲斐があった。
 特にミミは、縁日で手に入れた猫のぬいぐるみがお気に入りのようで、寝る時も身から離さず、今も両手で抱え込んでいる。
「兄貴、私がいない間にデュタさんやミミちゃんにちょっかいなんか出さないよね? そんなことをしたら、絶対に許さないからね」
「俺がちょっかいするわけないだろ。信用できないのかよ?」
「うん」
 即答だった。昔はこんなに反抗的じゃなかったのに、落ち込みそうだ。でも、根っこの部分は変わっていなくて良かった。
「じゃあ、そろそろ電車の時間が近いし……、っと、忘れていたことがあった」
 俺はやや足早に家の裏へと向かった。
「にゃまと、忘れ物でもあったのかにゃ?」
「まあ、そんなところかしらね。うふふ」

 庭はいつものように綺麗に整えられていた。
 しっかりと手入れが入っているためか雑草は全く生えておらず、花壇には朝顔とゴーヤの鮮やかで自然的な色合いに目が癒される。柿の木も生えており、秋になれば熟した甘い柿が取れる。他にも名前は知らないが、様々な花も咲いている。
 そして、この庭をしっかりと手入れしているのは。
「親父」
「なんだ?」
 相変わらず、背中を丸め、せっせと雑草を毟っていた。こんなに暑い時期に、汗を流し
てまで庭の手入れをしなくてもいいのに。
「親父のことは別に許したわけじゃないけど、親父が何で俺のことを厳しくしてくれたのか、やっと分かった。だけど、俺は親父のようになるつもりはないし、だからといって失望させるつもりもない。俺は俺なりにやるつもりだ」
 一晩考えて出た結論だった。
 親父をまだ許したわけではないが、それでもこの数日で親父に対する価値観が変わった。少なくとも、俺の知らないところで親父が俺のことを心配していることと、その心配している理由が。母さんとデュタの話を聞かなければ、きっと何も言わずにそのまま帰っていただろう。そして、実家とは疎遠になっていたかもしれない。
「お前の言いたいことはそれだけか?」
「いや、まだまだたくさん話したいことがある。文句だってたくさん言いたいけど、時間があまりない。だから、これだけは言わせてくれ」
 俺は数秒間ほど沈黙した。
 同じく親父も、俺が語るのを待っているかのようだった。
 そして。
「ごめん、親父。それと、ありがとう」
 言い切った。
「だけど、俺は見くびらないでくれ。卒業するまでには、親父を驚かせるような人間になるからな」
 俺は踵を返し、デュタたちの元へと戻ろうとした。
 その時だった。
「大和、頑張れよ」
「親父も健康に気を付けてくれよ」
 ほんの僅かな親父の労いの言葉だったが、これからの人生を歩むにおいて、大きな支えとなる心強い言葉であり、親としての愛が強く篭められた言葉だった。
 嫌になるぐらい暑い夏の日の中、嫌いなはずの親父がいる実家への帰郷。
 最初こそは乗り気ではなかったし、親父とも顔を合わせたくないぐらいに嫌いだったが、この数日間で両親の有り難味というものを理解できた。
 俺にとって、今回の帰郷は何よりも変え難い心の財産を手に入れることができた。
 母さん、親父、こんな面倒をかける息子を育ててくれてありがとう。


 広島県尾空岩山。
 広島県と島根県の県境にある広島県最高峰の山。国立公園の一つとして指定されており、四段峡と呼ばれる渓谷をはじめ、手付かずの自然が多く残っている。そのため遠足や合宿は勿論のこと、夏は家族連れのキャンプ地として、冬はスキー場として栄えている。そして、今の時間のように星明りが都市部と比較にならないほどに輝いている。
 その一方で、危険な山としても有名な山でもある。整備された道を歩いていれば問題はないが、道から外れればたちまち危険地帯に変わる。崖から滑落した者や森で遭難した者、雪崩に巻き込まれた者……。1年に1回程度の割合で、そのような事故が発生している。
 私もその一人。かつて、この山で事故を起こし、私は死んだ。
 しかし、蘇った。そして、今ここにいる。
 では、どういうことか。その答えは、この崖の下の森にある。
 かつて私が遠足中に迷子になり、足を踏み外した場所。
 私はここに叩きつけられて、全身の肉と内臓と骨がぐしゃぐしゃになった。
 現代医療では施しようがないほどの致命傷。このままならば誰にも見つかることなく死に、野生動物の餌になるか、そのまま腐敗し、骨になっていたかもしれない。
 だけど、私はあの時、奇跡に遭遇した。
『思イ出シタカ』
『肉ノ器ヲ持チシ者ヨ』
 ノイズが混ざり、いびつで恐ろしく低い声の主たち。
 普段の私ならば、間違いなく恐怖に怯えて、その場から逃げていたかもしれない。
 ただ、その日の私は今までの私ではなかった。
『貴様ガ何故生カサレタノカ』
『貴様ニ課サレタ使命ガ何デアルカヲ』
 分かっていた。
 彼らによって、私は命を造り直されたのだ。
 そして、私は彼らの計画を果たすために生かされているのだ。
『出来テイルノカ?』
『我々ガコノ星ノ支配者ニナル準備ガ』
 それは傍目から見れば、稚気じみた計画にしか聞こえないかもしれないし、絶対に起きてはいけないことであろう。
 でも、これが冗談ではなく、本気で行うだけに十分すぎる力を持ち合わせていることは分かっていた。それに、私もその計画に加担することに戸惑いもなかった。
 何故なら。
「大和クンガ私ダケノモノニナルナラ」
 私も、この世界が滅んでも構わないと思っているから。
 大和くんがいるのなら、私はそれ以外に何もいらない。
 家族も、親友も、私の住んでいる町も、この星も。
『ソウカ、ナラバ運命ノ日ハ近イ』
『我々ノ野望ガ成就スル日ハ近イ』
 ノイズの混じった声で高笑いをする声の主たち。
 私は、それを不快とも思わなかったし、恐怖とも思わなかった。寧ろ、それで私の大切なものを奪う者から守れるのなら、私から大切なものを奪う者を消し去ることが出来るのなら、それだけでも満足。
「大和くん、まっていてね。私、大和くんを守るためならなんでもするから。あの女を消しても、この世界を滅ぼしても、大和くんを守ってあげるから。私の大好きな大和くん……」
 運命の日が近い。
 この星が、宇宙人たちが新たに支配する日が。
 大和くんと永遠に愛し合える日が。
「待ッテイテネ、大和クン……」

第21話 終わり 

 どうでしたか、今回のカノゴクは?
 次回のカノゴクの更新予定は未定。とりあえず第22話が完成してから更新するつもりです。かなり時間がかかりそうですけど、その時は期待してください。
 さて、今日も寝るまで頑張るか……。