後半はネタバレなので要注意!!

 MCU映画大好きな蔵間マリコです。
 いや~、まさかの夏休み9連休が取れるなんて思いませんでしたよ。今までは飛び石連休だったり、お盆休みの前半か後半が出勤だったりするんですけど、今年のお盆はあまり仕事が少ないためか、結構休んでいる人が多くてね。で、自分のその一人なんですよ。休みが多いのは嬉しいには嬉しいけど、世間だと働いている人がいるし、ここまで休んだら体が鈍りそうですしねえ……。まあ、貰えるものは素直にもらいますが。
 そんな9連休の3日目に観に行ったのが、マーベルコミックス原作のアメコミ映画『スパイダーマン ホームカミング』。何度か実写映画化されたスパイダーマンの新シリーズですね。
 いや~、これはぜひとも抑えておきたかったんですよねえ。シビル・ウォー/キャプテン・アメリカと直接繋がりである作品であることと、サム・ライミ版とも、アメスパとも違う新しいスパイダーマン、これだけでも理由になる。というわけで、今日はスパイダーマン ホームカミングを観に行きました。
 ただ、残念なことが一つありまして……。パンフレットが売り切れだったんですよね……。デッドプールの時もそうだけど、アメコミ映画のパンフがここまで早く無くなるとは。やっぱり、初日に行けば良かった……。

 さて、スパイダーマン ホームカミングの感想だけど、なかなかと斬新でいながらも、王道を通る作品でしたね。先の二つに比べると、好き嫌いの分かれそうな内容ですけど、新生スパイダーマンという意味合いでは納得の出来でしたね。
 個人的に今回のスパイダーマンで一番印象的だったのが、未熟なヒーローとして描かれていること。今までのスパイダーマンは、みんなから感謝されながらも誰にも正体がばれてはいけない、そんな孤高のヒーローとして描かれている。
 しかし、今回のホームカミングは違う。ヒーローになったばかりという点を重視しているから他のスパイダーマンに比べるとかなり弱いし、ホームカミングのピーター・パーカーは高校生だから認められたいがために行動していてもおかしくはないし、案外普通にばれている。だから、それらが原因で状況が悪化させてしまうことがある。これは人によってはイライラするかもしれない。
 でも、今回のスパイダーマンに限らず、ヒーローにだって未熟な時期が存在する。重要なのは、そこからどうやって立ち上がるのか。調子に乗った挙句、親友たちや人間たちを命の危機に晒した。そのせいで自慢のスーツを没収されてしまった。ピーター・パーカーは最初こそ納得がいっていなかったものの、それでもヒーローになるということとそれに伴う大いなる責任を理解し、一人で悪と整然と立ち向かった。結果として、ヒーローとして一歩前進した。ホームカミングはピーター・パーカーの成長物語、そんなところが最大の魅力ではないだろうか?
 さて成長物語というと、それを見守る師匠や教師が必要となる。ホームカミングにおいては、アイアンマンことトニー・スタークが役割を果たしているのだが、これがなかなかといい分量でしてねえ。プロモーションやポスターを見る限りではガッツリと物語に関わると思ったが、あくまでもピーター・パーカーをヒーローとして正しい道を進む道標として存在し、戦闘には一切関わらない。その結果、社長はメインキャラでいながらも、スパイダーマンの存在を食わない程度に収まっている。やはり、映画を観ないと分からないものだな。
 そして、今回のメインヴィランのヴァルチャー。これもなかなかと魅力的。動機がいかにも一般人らしい言い分であり、それでいながらも少し同情してしまう。だが、それ以上に素晴らしいのが、役者のマイケル・キートンの熱演。中でも、車の中で娘のリズの彼氏であるピーターがスパイダーマンであることに気付き、探りを入れながらも警告を入れるシーンは印象深い。あの迫真ぶりだと、ヒーローとして未熟者であるピーターが迷ってもおかしくないわ。
 とまあ、ここまで褒めまくってきたけど、他のスパイダーマンと差別化させるために好き嫌いが別れるシーンが多かった気がする。未熟なスパイダーマンもその要因の一つだが、ピーターがスパイダーマンになった経緯を会話だけで済ましたり、ビルとビルを飛び交うのではなく、地面を走るシーンが多かったりする。スパイダーマンにお約束を求める人にとっては、ここら辺は批判的になるかもしれない。自分は、あまり気にはならなかったけどさ。

 新しいスパイダーマン像を描いた、スパイダーマン ホームカミング
 これからアベンジャーズのメインストリームから離れて、スパイダーマン独自の展開が行われるだろうけど、どんな物語が描かれるのだろうか?いやあ、それを考えただけでもワクワクしますわ。

 スパイダーマン ホームカミングの評価

 満足度 ☆☆☆☆
 アメコミ度 ☆☆☆☆
 ヒーロー度 ☆☆☆