ドラゴンボール外伝 転生したらヤムチャだった件

 きえな ぶっとばされんうちにな。

 ドラゴンボール大好き蔵間マリコです。
  お金の関係でなかなか買うタイミングがありませんでしたけど、ようやく買うことができましたよ。鳥山明先生の不朽の傑作バトル漫画『ドラゴンボール』、それをドラゴン画廊・リー先生が描く外伝漫画『ドラゴンボール外伝 転生したらヤムチャだった件』を。
 ネットで話題を呼んでいたこの作品、自分も読んでいた人間の一人なんですよね。だってそりゃあ、作者は違っても、幼少時代の自分に大きく影響を与えたドラゴンボールですから。世間では賛否両論のドラゴンボール超も、毎週リアルタイムで楽しんで観ています、何歳になってもドラゴンボールは切っても切り離せない作品。改めて、鳥山明先生の凄さとドラゴンボールの魅力に多くの人が惹かれることを実感しますわ。
 そんなドラゴンボールの魅力に触発された外伝漫画の転生ヤムチャ。今回はその感想を書かせてもらいます。当然ながら、ネタバレや管理人の独断と偏見が入りまくりです。ですので、そういうのが嫌だという人はここまで。別に大丈夫という人はどうぞ。

 さて、転生ヤムチャですけど、本当にドラゴンボール愛に満ちた作品と言える外伝漫画だった!!テーマ自体は流行ものそのものだけど、安直な内容ではなく、しっかりとドラゴンボールとして成立する内容として作り上げられ、そして押し付けがましいものもない。ページ数そのものが少ないのは少し残念だけど、それを補うくらいに濃厚な内容だった。
 まず、個人的に一番印象的だったのは、ドラゴンボールの世界観を壊さない転生ヤムチャの言動。主人公のドラゴンボール好きの高校生が、あることが切欠でヤムチャに転生。孫悟空やベジータほどではないにしろ、それでも地球人の中では格段に強い。これで欲望の赴くままに生きていけるぞ……、ではないのがこのヤムチャだった件。いかにして、栽培マンの自爆による死から逃れるのか。これがこの漫画の見所の一つである。
 ドラゴンボール好きとして、作中の情報と知恵をフル稼働し、最悪の事態を回避することに努める転生ヤムチャ。それは第三者から観るとどこか滑稽であるが、しかしながらその真剣な姿勢は好感を持てる。転生ヤムチャをメアリー・スー的な扱いや好き勝手に動かさず、考えるうる可能性の中でアクションさせる。これは今日日の異世界転生もので俺tueeeを書く人たちに見習わせたいものだ。
 だからこそ悲しいかな、ヤムチャとして転生した以上は限界が存在する。フリーザは勿論のこと、セルや魔人ブウに勝てるはずがない。その限界に直面した転生ヤムチャ、そしてその限界に嫌気が差して好き勝手しようとする転生チャオズはどう振り返るのか。それに対しての解決方法はやや力技であるものの、作品愛という観点としては納得の結末である。
 そして、コミックス描き下ろしのオマケ漫画も満足の出来。作中では描かれることはなかったけど、きっとドラゴンボール本編のヤムチャも多少の未練はあっただろうし、ああやって吹っ切れたのかもしれない。
 それと、もう一つの描き下ろしオマケ漫画の転生ヤムチャと転生チャオズのフュージョンは……。確かにアレは嫌だなあ……。

 作品愛がヒシヒシと伝わってくるドラゴンボール外伝 転生したらヤムチャだった件
 こういう他の作者が描く外伝作品とかは嫌われやすい傾向があるけど、転生ヤムチャみたいリスペクトと本気の伝わる作品は人気が出てほしいものだ。ちゃんとした作品なら、みんなから受け入れられるから。

 最後に一言。
 ドラゴン画廊・リー先生、こんなに素晴らしい漫画を描いてくれたことに感謝の言葉しかありません!!本当にありがとう!!

 ドラゴンボール外伝 転生したらヤムチャだった件の評価

 満足度 ☆☆☆☆☆
 ドラゴンボール度 ☆☆☆☆☆
 原作愛度 ☆☆☆☆☆