後半部分はネタバレありの感想なので、要注意。

 月に1回は、映画を観に行きたい蔵間マリコです。
 今日は、郊外のシアターである噂の映画を観に行きました。その映画は、ミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』ですね。
 いや~、この映画はちょっと気になっていたんですよねえ。ミュージカル映画の『ラ・ラ・ランド』が大ヒットを博し、同じミュージカル映画であるグレイテスト・ショーマンも大ヒットするのではないのかと噂されていたのですから。それに、自分の大好きな『X-MEN』シリーズのウルヴァリン役のヒュー・ジャックマン主演。ミュージカル映画自体は滅多に見ない人間ですけど、非常に気になっていたので、話題になっているうちに観に行きました。
 映画館に到着すると、これが思った以上に席が埋まっていてね。予約せずに席が取れたとはいえ、8割は席が埋まっていましたからねえ。席もイマイチな場所だったし、金曜日にでも予約しておけばよかった。

 さて、グレイテスト・ショーマンの感想だけど、噂以上の面白さ!!19世紀のアメリカの興行師、P・T・バーナムヒュー・ジャックマン)の半生を壮大なミュージカルと音楽で作り上げる。その様は圧巻そのものであり、このジャンルにあまり興味のない自分も魅入ってしまうほどの内用だった。
 まず、個人的に印象的だったのが、題材とミュージカルの親和性。ストーリー時代は、貧民生れのバーナムの奇想天外なアイデアでサーカスを成功する一方で、それによって大切なものを失うという比較的ベタな話ではあるが、ここにミュージカルという要素が入ると化学反応を起こし、感動を呼び起こす。アクロバティックなサーカスと、壮大な演技と歌が魅力のミュージカル。両方とも相当な技量を要するが、グレイテスト・ショーマンにはそれがあるのだ。
 特に個人的に好きな場面は、バーナムが舞台プロデューサーのフィリップ・カーライルザック・エフロン)との契約を結ぶシーン。バーの台や椅子、ショットグラスを上手く活かしつつ、二人の心象をミュージカルで語る。阿吽の呼吸でなければ、絶対に成立することのないミュージカル。後の契約関係から大人の友情へと昇華していくことを考えると、この場面から垣間見えている。
 あと、2時間という枠の中で上手い具合にストーリーの取捨選択しているのも大きい。過程の部分やサーカスの練習の部分をバッサリと切り捨てる代わりに、それらをミュージカルに回して、鑑賞者を待たせるというマイナスの印象を持たせない。都合が良すぎと思う人もいるかもしれないが、そういう映画だからと言わせるだけの説得力がある。
 勿論、ミュージカルだけが見所ではない。サーカスを取り巻く人物たちも魅力的だ。中でも印象的なのが、サーカスでショーをする人々。子供程度の背丈しかない大人、美声ながらも濃い髭を生やしたふくよかな女性、空中ブランコの技術がある黒人。今と比べると差別意識の強い時代、バーナムと同じように日陰者として生きてきた人間が居場所を得て、人としての大切なものを得る。その様は、本当に勇気付けられる。自分もそういったコンプレックスを抱いているから、尚更共感できる。やはり、どんな人間でも主役になれる場所はあるのではないのだろうか?

 革命的なミュージカル映画のグレイテスト・ショーマン
 これはミュージカル映画にあまり興味がない人も、ぜひ一度見てほしいものだ。きっと考えかたが変わるはずだ。

 グレイテスト・ショーマンの評価

 満足度 ☆☆☆☆☆
 ミュージカル度 ☆☆☆☆☆
 ユーモア度 ☆☆☆☆