倫たんの漫画は栄養源みたいなもの。 

 三度の飯よりも、たんの漫画な蔵間マリコです。
 さてさて水曜日ですので、いつものコーナーを更新しますよー。現在、週刊ヤングマガジンで異世界ファンタジー漫画『パラレルパラダイス』を絶賛連載中の漫画家、岡本倫先生のスポコン漫画『ノノノノ』を徹底的に語るコーナーを。
 いや~、パラレルパラダイスが本当に面白いからこのコーナーも捗りますねえ。パラレルパラダイスで新しいたん空気を取り入れながらも、ノノノノで知っているたんの魅力を改めて確認する。この二重のたんのハーモニー、これがたまらんのですよ。自分に限らずとも、長年その作者のファンをしている人なら分かるかもしれません。やっぱ、今も昔も面白いのですのよ。
 とまあ、前置きはこれぐらいにして、そろそろ本題に入らせてもらいます。当然ながら、岡本倫先生の独特の作風や管理人の独断と偏見が入りまくりです。ですので、そういうのが嫌だという人はここまで。別に大丈夫という人はどうぞ。

 第90話『上手くいく方法

 ○あらすじ

 火野の脅しにより、裸にされてしまった悠太。
 悠太は火野のなすがままにされるが、そこへ岸谷が現れ……。

 ○登場人物

 野々宮悠太、岸谷弘樹、火野

 ○ターニングポイント

 ・岸谷無双

 岸谷から蹴りをお見舞いされ、逆上する火野。しかし、岸谷の敵ではなかった。
 ここだけを切り取ってみると、まるで主人公みたいな岸谷ですねえ。普通、包丁なんて見たらビビッて反撃なんてできないのに、そんなことを感じさせない勇敢さ。恐怖以上に、悠太を助けたいという気持ちが勝っているのかもしれない。
 しかし、「女の子を無理矢理裸にするような男は最低だ!!」という台詞に笑いを禁じえない。お前だって、悠太を裸にしたじゃないか。

 ・守るべき理由

 しかし、岸谷の攻勢も長くは続かなかった。火野が悠太の秘密を握っていることを語ると、岸谷は反撃できなくなってしまった。
 いいですねえ、火野の三下ムーヴ。弱い相手には脅しで主導権を奪い、あるいは自分が劣勢に追い込まれたら暴力を振るうか、脅しを使う。この清々しいまでのクズ、倫たんの漫画のキャラの中でもトップクラスのクズキャラである。
 それでも岸谷の心が折れないのは心強い。悠太に対して好意と後ろめたさ、その背反する思いが武器となり、盾となる。やはり、女の子を守る男っていうシチェーションはいいですねえ。まあ、悠太を裸にした男じゃなければもっとカッコいいわけですが。

 ・怒りの爆発

 自らの折られた歯と同じ目に遭わせようと火野はバールを振る。しかし、結果は違った。
 悠太の踵落とし、素晴らしいですねえ。それも、歯の折れた口に一撃というのがいい。歯を折ろうとしたら、逆にやられたわけですから。所詮、脅しを使う相手なんぞ、脅しを気にしなくなったら勝ち目がない。
 でも、悠太が夢を諦めるわけにもいかなかった。だから、岸谷が火野の口を封じる。岸谷の気持ちは分かるけど、それは人として絶対にやっちゃあいけないことですからねえ。もし、ここで岸谷が火野を指して口封じでもしたら、それこそ悠太がジャンプなんてできなくなりますから。こんな男の口を封じなくても、狂人扱いで終わる。大型掲示板で悠太の秘密を流布する?倫たんの世界は、携帯電話がない世界だからネットも多分ないから大丈夫!!

 ・悲劇

 火野を刺して口封じすることを諦めた岸谷。しかし、それが悲劇を呼んでしまった。
 包丁が出た時点で刺されるのは前の話で察していましたけど、実際に刺されると辛い。IHのことは勿論のことですけど、下手すると岸谷が死ぬかもしれませんから。悠太からすれば、自分のせいで「どうしてこんなことになってしまったの……」としか言いようがないし、岸谷からすれば最悪としか言いようがない。

 ○まとめ

 岸谷の勇姿と悲劇が描かれた回。
 もし、ここで火野と出会わなければ、岸谷が刺されなければと読んでいていつも思います(もっと言うと、岸谷が悠太を裸にしなければ)。

 明るい展開も、辛い展開も面白いノノノノ
 今やっているパラレルパラダイスみたいなエロ全振りの異世界ファンタジー漫画もいいけど、ノノノノみたいな王道的な漫画もいいな。いつかまた、こういう王道的な作品を見たいものだ。