スパイダーバース001

 後半はネタバレありの感想なので要注意。

 実写映画もいいけど、アニメ映画もいいと思う蔵間マリコです。
 今日はいつものシアターである話題の映画を観に行きました。それは日本人にも大人気のマーベルのアメコミ作品『スパイダーマン』、そのアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』を。
 いや~、スパイダーマンの映画はホームカミングから観に行っている若輩者ですけど、スパイダーバースは楽しみだったんですよねえ。ピーター・パーカー以外のスパイダーマンにもスポットライトを当てたという実写版とは違ったコンセプトですからね。それに加えてショッキングなPV。これはマーベル映画を観に行っている人間としては外さない手はない。ということで、観に行きました。
 しかし、今日は人が非常に多くてね。予約はしていたけど席は問題なかったけど、チュリトスを買っている間に開演時間が近づいてきて。幸いギリギリ間に合ったけど、もうちょっと余裕を持って行動をしたほうが良かったと後悔している。

 さて、 スパイダーマン:スパイダーバースの感想だけど、従来のスパイダーマン要素をしっかり継承しつつ、新たなスパイダーマンとして描かれた素晴らしい内容だった。それだけでなく作画も良し、演出も良し、音楽も良しとどれをとっても良し。マーベルの映画は実写化作品というイメージが強かったけど、それに一石を投じた作品と言えよう。
 まず、個人的に一番印象的だったのが、主人公のマイルズ・モラレス。2代目スパイダーマンである彼はアニメなんかでも登場しているので知っている人は知っているだろうけど、映画という媒体では初めてである(ホームカミングで彼の登場を匂わせているが)。そのため、ピーター・パーカーとは違った新鮮なスパイダーマンを楽しめる。大いなる責任を託されたマイルズ君、それはピーター・パーカーとは少し違ったヒーローとしての苦悩の道を歩むこととなる。それは並大抵の者が成し遂げられない試練と言えよう。
 しかし、半人前のマイルズを支えてくれるのが多次元から来たスパイダーマンたち。彼らはある共通の目的を果たすためにも、マイルズに協力し、時には突き放し、最後は彼を一人前のヒーローとして認める。一緒にいた期間こそ短いが、それは彼の心に深く残るものであろう。そして、それは鑑賞者も同じだろう。
 特にマイルズがスパイダーマンとして覚醒したシーンは感動的。今までは能力だけでなく、精神的な面でも半人前だった。でも、あることを切欠に覚悟が決まり、マイルズはヒーローとなる。その時の演出は目頭が熱くなるものだ。
 マイルズ以外についてのスパイダーマンもなかなかと印象深い。40手前を迎え冴えない人生を送っていたマルチバースのスパイダーマン。マイルズと似た境遇でいながらも孤独に戦うスパイダーグウェン。大恐慌時代に生き、手段を選ばないダーティーなスパイダーマンノワール。一見普通の女子中学生にしか見えないけど、立派にヒーローとして行動をしているペニー・パーカー。遺伝異常を起こした豚に噛まれた蜘蛛がヒーローになったという頭のおかしい設定を持つスパイダーハム。5人のスパイダーマンは当然ながら強いが、一人一人に役割がしっかりと与えられているから影の薄いキャラが一人もいない。それに加えて、マイルズにしっかりとヒーローとしての心得を与えているからねえ。本当に絶妙なバランスだ。
 それに対してヴィランもなかなか個性的だ。中でも、Dr.オクトパスとプラウラーは印象的。Dr.オクトパスはMCUばりのアレンジが加えられたキャラになっているし、プラウラーはスパイダーマンを知っているのならあの人をイメージさせるような重要なキャラクターになっている。グリーンゴブリン、スコーピオンがオマケ程度の扱いというのがちょっと残念だけど、それ以外は上手く扱えているだろう。
 そして、エンドクレジット後のマーベル映画のいつものあれ。今回は色々と衝撃的だった。いや、アレの存在は作中でも窺えたし、登場しないのはおかしいとは思っていた。でも、まさかあのような形で登場するとは。しかも、とんでもない奴と遭遇するし。あのギャグはスパイダーマンを知っていたら笑うし、知っていなくても笑うわ。

 新しいスパイダーマンの魅力を堪能できたスパイダーマン:スパイダーバース
 多分、次回作は作られるだろうけど、ヴィランはどうなるのだろうか?ラストのを見る限りではある程度予想はつくけど、さてどうするのか。その時は、東映版スパイダーマンも出演してほしいものだ。

 スパイダーマン:スパイダーバースの評価

 満足度 ☆☆☆☆☆
 マーベル度 ☆☆☆☆☆
 スパイダーマン度 ∞

スパイダーバース002