メイドインアビス

 冒険や探索なんて、楽しいことばかりじゃない。

 ハラハラドキドキの物語が大好きな蔵間マリコです。
 数日前に市内の本屋で買ったつくしあきひと先生のアドベンチャー漫画『メイドインアビス』を消化していますけど、噂どおりの面白さですねえ。母親を探すためにアビスと呼ばれる大穴の最下層まで潜るといういたってシンプルな話ですけど、これが見所が多い多い。独特の絵のタッチに、未知の生物や遺物、探窟家との出会いと別れ、立ちはだかる試練。まさに作者のアイデアがこれでもかというぐらいに詰まった作品で、次が次がと読みたくなる漫画ですねえ。
 中でも黎明卿ことボンボルド卿が個人的にお気に入り。ネタバレになるから多くは言わないけど、作中でも人気のあるキャラの一人だというのも納得。あそこまで狂気に満ちながらも、言動が魅力的なキャラを描くというのはなかなか難しいものだ。まあ、絶対に関わりたくない人間はあるけどさ。

 とまあ、TVアニメ放送から随分と遅れて
メイドインアビスを堪能させてもらっていますが、読んでいる時にあることを思った。やはり、物語の登場人物は酷い目に遭ってこそ光るものだと。特に可愛い女の子(ぶっちゃけた話、リョナになっちゃうが)。
 冒険というとワクワクのイベントがあるというイメージがあるけど、
メイドインアビスに関してはそうではない。寧ろ、痛い辛い苦しいの連続である。アビスの原生生物に襲われ、毒に侵され、探窟家に命を狙われる。その描写は痛々しいものも多く、時には悲しき喪失だってある。
 でも、それを乗り越えた先に栄光がある。その時の少女たちの達成感や笑顔を見るのが好きなのだ。メイドインアビスは、まだまだゴールまで遠いけど、そこに辿り着ける日はいつか訪れるだろう。
 しかし、よくよく考えたら、岡本倫先生の作品もまさにこの路線だと改めて思う。何かしらの重たい過去や宿命を背負った女の子たちが、酷い目に遭いながらも最後はハッピーエンドを迎える。だから、メイドインアビスとの作品との波長が合ったのかもしれない。実際、(メイドインアビスほど酷くはないけど)エルフェンリートにも同じく加工される女の子とかもいるし。

 出会いも別れもリョナもあるメイドインアビス
 まだ5巻までしか読んでいないけど、6巻からどのような冒険が待ち構えているのか楽しみだ。特に作者の性癖が伝わってくるリョナの部分がどうなるのか本当に気になるよ。