色々な角度で楽しみたい。

 たんの漫画が好きで好きでたまらない蔵間マリコです。
 さてさて月曜日ですので、いつものコーナーを更新しますよー。エルフェンリート極黒のブリュンヒルデの作者、岡本倫先生の週刊ヤングマガジン連載の異世界ファンタジー漫画『パラレルパラダイス』の感想のコーナーを。
 と言いたいところですが、今週1回目のヤンマガは休載。いや~、2号連続パラレルパラダイスが休載なのは辛いですねえ。でも、岡本倫先生もコミックス12巻の特装版の作業を行っていますからねえ。


 毎週漫画を描きながら、コミックスの加筆修正、そして特装版の作業。これは並大抵の人間じゃあできない仕事量ですねえ。そういった事実確認ができると、楽しみにしている自分が急かしているようで申し訳なく思います。岡本倫先生、あまり無理をしない程度に頑張ってくださいね。そして、一段落ついたら美味しいものでも食べて体を労ってくださいね。
 とまあ、力の入った特装版が楽しみなわけですが、今回はこれとはちょっと別の話、考察でも書かせてもらいます。御題は『漫画のタイトル』で。当然ながら、ネタバレや岡本倫先生の独特の作風、管理人の独断と偏見が入りまくりです。ですので、そういうのが嫌だという人はここまで。別に大丈夫という人はどうぞ。

 現在連載中のパラレルパラダイス。物語も大分進行したが、実はタイトルについて作中であまり触れられていない。パラダイスについてはミースの街から旅立つ前日に5P をした時に陽太の独白が言うように、陽太が召喚された世界がパラダイスであることは間違いないだろう(まあ、一皮むけば地獄でもあるのだが)。
 しかし、疑問が一つ。タイトルのパラレルとはどういうことになるのだろうか?確かに物語の途中までは異世界であると読者の多くは思っていた。だが、実際には異世界ではなく、3000年後の地球。だから、異世界≠パラレルなのだ。表題の意味合いとズレてしまうのだ。
 じゃあ、パラレルってどういうことなのか?自分はパラレルパラダイスが現代と未来の物語であることを考えて、一つの可能性を考えてみた。もしかして、最終的に異世界は存在しなくなるのでは?いや、正しく言えば、女性しかいない3000年後の地球という未来とは別の分岐の未来になると言えばいいだろうか。
 根本的にパラレルパラダイスという物語、3000年後の地球の人類を救うというのは非常に難しい話であろう。なんせ相手は、真の嫉妬深い神=もう一つの月なんだから(このことについては、こちらをどうぞ)。ロストテクノロジーがあるとはいえ、とても陽太たちが太刀打ちできる相手ではないだろう。
 仮に嫉妬深い神を殺したとしても、3000年後の地球で陽太一人でどうこうできる問題ではない。生まれた男がすぐに死んでしまえばアウトなのだ。そもそも、いつでも男性を迎えられるようになった体と言っても、妊娠するかも怪しいし。とにかくどうしようもなくなった3000年後の地球の時点でそこから人類が復興するというのは無理難題だ。
 じゃあ、3000年後の地球はどうすれば救えるのか?それは現代から嫉妬深い神を殺すということだ。具体的に殺す方法というと、核ミサイルだろうか?勿論、これも非常に難易度が高いけど、現代で嫉妬深い神を殺すことに成功すれば手遅れにはならない。
 ただ、そうなるとルーミたちがいる3000年後の未来に分岐せず、文明が崩壊しない未来が訪れる。これは陽太にとって、究極の選択だろう。ルーミたちがいる甘美な地獄か、あるいはルーミたちがいない人類救済の世界か。タイトルのことを考えれば、陽太が選ぶ未来は後者であろう。分岐から外され、並行となった楽園の世界。それがパラレルパラダイスだろう。
 まあ、流石にこの結末になっても、ルーミたちにも救いはあるだろう。人類救済された世界で、陽太はどこかでルーミたちに似た少女に出会うかもしれない。20年という短命で少し油断しただけで死ぬ世界ではなく、普通に生きれば80年は生きれるであろうこの世界で。

 非常にタイトルの意味合いが気になるパラレルパラダイス
 さて、ルーミたちがいる未来がなくなって、別の未来が訪れるのだろうか?あるいは、パラレルにそれとは別の意味合いが籠められているのだろうか?どんな結末が待っているのか非常に楽しみだ。