悲しいなあ……。

 倫たんの漫画が終わることにショックを隠せない蔵間マリコです。
 さてさて、始まりますよー。現在、週刊ヤングジャンプで連載中の岡本倫の純愛ダークファンタジー漫画『極黒のブリュンヒルデ』の感想のコーナーが。
 皆さんも知っているかもしれませんが、今日はとても残念なお知らせがあります。極黒のブリュンヒルデが今回含めて残り3回で、連載が終了します。最近の展開からして何かそのような雰囲気を漂わせていましたが、本当にこの時が来るなんて……。複線も色々と残しているだけに、とてもとても残念です。毎週毎週アンケートの葉書を送っていたし、コミックスも3冊買っていたのですが、その思いも届かず打ち切り。世間では受け入れられなかったなんて、ただただ悔しいばかりです。
 でも、倫たんの作品の中でも一番の長期連載作品だし、エルフェンリート同様にアニメ化も果たせた。ここまで頑張れたということで、上出来なのかもしれません。欲を言えば、残りの話を投げやりにならず、しっかりとやり遂げる。そして、コミックスで掲載時の粗をあらかた直して、作品として全うに完成したものに作り上げる。これが岡本倫先生の漫画のファンとしての願いです。
 とまあ、前説はこれぐらいにして、そろそろ本題へと入らせてもらいます。当然ながら、ネタバレや岡本倫先生の独特の作風、管理人の独断と偏見が入りまくりです。ですので、そういうのが嫌だという人はここまで。別に大丈夫という人はどうぞ。

 今週の極黒のブリュンヒルデ第179話『カズミ=シュリーレンツァウアー』が掲載されましたが、色々な意味で悲しかった回でしたね。前回が前回だけに、起こりえる展開でしたから。まあ、打ち切りということで巻き上げたのかもしれませんが、それでもショックな内容でした。
 さて、ロキの暴虐を止めるために3つ目のボタンを押して、エッダに決死のアクセスをしたカズミ。良太がそれを止めに行こうとするが、土屋さんにエッダの真実を聞かされる。聞かされるんですけど、やはり展開があまりにも性急すぎるという点が否めないし、整合性がおかしいことになっている。北極なんて今まで登場したことがないし、エッダに記憶が蓄積されているって、それじゃあなんのために奈波が消えたのかも分からないし。なんか支離滅裂なんですが……。たん、コミックスで直せるからといって、こういうのは駄目だと思うぞ。
 それに加えて、ロキの言っているミーミルの首(オーディンの伯父に当たる人物であり、賢者の神。人質に出されて、斬首されたところ、オーディンがそれを回収して、生首が相談役として活躍したそうだ)。デック=アルーヴとか、ビフレストもそうだけどさあ、北欧神話の言葉でお茶を濁すの止めようよ……。そういうことをするよりも、開示されていた情報内でしっかり話を収めるほうが物語として体を成しているからさ。正直、こういう誤魔化しをするたんなんて見たくなかったな。精神状態に追い詰められていたのか、詰め込めるだけ詰め込んだのか、単にアイデアが思いつかなかったか知らないが、本当にこういうのは問題だから。
 その一方で、カズミが命を賭して、エッダへハッキング。結果、エッダを破壊することに成功したが、代償が大きかった。負荷があまりにも大きく、カズミの肉体は溶けていく。ギリギリのタイミングで佳奈と初菜が到着するが、イジェクトでの肉体の崩壊を再生することは出来ない。そして、カズミは今際の際に良太と出会うことなく、死んでしまう。
 ツイッターのほうでカズミを色々と弄ったりしていますし、打ち切りの急展開もありますけど、それでもカズミの死はショックでしたね。スカジに良太の子供を生むことが出来ると予知されていたから、最後まで生き延びると思ったのですが、まさか最後の最後で死ぬなんて。しかも、 良太の記憶を消さないようにエッダを破壊したなんて。奈波は哀しい思いをさせたくないから記憶を消したが、カズミは自分のことをいつまでも覚えて欲しいと記憶を残した。良太が好きなだっただけに、これは辛いですねえ……。
 しかし、良太の記憶を残して破壊したのが仇だったのか、エッダが完全に破壊されていなかった。暴走するロキ。もう残されている選択肢は、良太が喰われてソーサリアンになることだが……。

 世界も連載も終わりに近い極黒のブリュンヒルデ
 残すところもあと2話。打ち切りではあるけど、最後は気を抜かずに、しっかりとやり通して欲しい。終わりよければ全て良しなのだから。

 極黒のブリュンヒルデ 第179話の評価

 満足度 ☆☆
 SF度 ☆☆☆
 ショック度 ☆☆☆☆☆