銀河英雄伝説3巻

 (ほぼ)毎週読める喜び……。

 スペースオペラ大好き蔵間マリコです。
 ちょっと買うのが遅れましたけど、しっかりきっかり買いましたよー。原作・田中芳樹、作画藤崎竜のスペースオペラ漫画『銀河英雄伝説』(以下、銀英伝)の最新コミックス3巻を。
 中学生の頃にはまりにはまりまくった作品ですけど、フジリュー銀英伝もなかなか負けていない。第3巻は第6次イゼルローン攻防の序盤から終盤まで収録されていますが、第2巻の白銀の谷とは違った面白さがある。艦隊同士のぶつかり合いに、個性的な新キャラの登場、そしてまだ見ぬラインハルトとヤンの心境。
 特にみんな大好きビッテンフェルトの暴れぶりは本当に見物。掲載時には今までのイメージを大きく覆すデザインに吹きましたけど、単行本でも見てもやはり凄い。銀河英雄伝説タクティクスのほうでも半裸になっているようですけど、ここ最近のビッテンフェルトに何があったのだろうか?

 とまあ、フジリュー銀英伝3巻に大満足な本日ですが、こんな人もいるかもしれません。ヤンジャン銀英伝に興味を持ったけど、どこから入ればいいのか困る、原作とかアニメとか漫画とか色々あって分からない見たいな人が。
 というわけで、今回は原作、OVA、漫画の各媒体を通しての説明とお勧めを書かせてもらいます。他にも宝塚版とか舞台版とかあるけど、あくまでも今回は3つで。拙い文章かもしれませんが、これを参考に銀英伝に興味を持ってくれると非常にありがたいです。 

銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)
田中 芳樹
東京創元社
2007-02-21


 ・小説版

 本編10巻+外伝5巻。発行した会社によって巻数は違うが、基本的にこれ。
 原作ということもあって、一番ダイレクトに伝わるのはこれだろう。作者の田中芳樹先生の圧倒的な執筆力に、魅力的な登場人物と世界観、先が読みたくなるグイグイ引っ張ってくれるパワー。これがあるから、マルチメディアにも繋がっているし、根強いファンがいる。言うならば、原液とも言える作品だ。
 欠点は、少々分かり辛い描写があるということと多少古臭いということ。特に前者は小説という媒体の宿命ではあるけど、人によっては厳しく感じるかもしれない。しかし、それを乗り越えたなら、はまること間違いなし。

 
 
 ・OVA版

 本編110話+外伝52話+劇場版アニメ3本。恐らくはこれが一番人気かもしれない。
 製作されたのがちょうどバブル期の作品というだけあって、そんじょそこらのアニメとは比較にならないほどのお金のかけようとそれに負けない作品の出来が最大のウリ。特に声優陣のラインナップは非常に豪華で、銀河声優伝説なんて言われたりもする。若かりし頃の若本規夫さんと故・塩沢兼人さんの演技は、多くの視聴者を魅了したであろう。
 欠点は、OVAという媒体であるにもかかわらず、恐ろしく長いという点。本編だけでも110話と非常に長く、毎日4話見たとしても、1ヶ月近くかかる。観るのなら、じっくり見ようという感覚でいいかもしれない。



 ・道原かつみ版コミックス

 徳間書店で連載されていたコミカライズ版。本編11巻+黄金の翼1巻+英雄たちの肖像4巻。
 フジリュー版よりも遥か昔に連載されていたものだが、非常にとっつき易い内容であることが最大の特徴。原作の要点をしっかり掴みつつも、漫画という媒体なので気構えする必要が無い。作者の道原かつみさんも、原作の挿絵を担当しているので原作のイメージも壊さないという人も多い。
 欠点は、残念ながら未完で終わってしまったということ。本編は第1期(原作の2巻まで)と一応はキリのいいところで終わっているのだが、そこから先は他の媒体を頼りにしないといけない。
 個人的には、道原かつみ版が入門作として非常にお勧め。これから読み始めるといいかもしれない。



 ・藤崎竜版コミックス

 現在ヤングジャンプで連載中のコミカライズ版。現在3巻まで発売中。
 こちらは小説版の時系列を重視していることと、作中で端役だった登場人物にもしっかりとスポットライトを当てているのが最大の特徴。そして、フジリューテイストをしっかりと出しながらも、見た目以上に原作に忠実。原作既読者も、新規も楽しめる内容となっている。
 欠点は、フジリュー独特の作風。これは昔からのことだけど、好き嫌いが分かれやすい作風となっている。だが、それさえクリアすれば、間違いなく過去に発表された銀英伝と比肩するだけの面白さがあると保証できる。

 とりあえず、銀英伝の主な媒体の紹介はこれで終わり。
 個人的には道原かつみ版が一番取っ掛かりやすいけど、他にも興味があったら同時に触れるといいかもしれない。媒体によっての作品の差を味わうことができるぞ。
 それにしても、今の時代、銀英伝のコミカライズが毎週読めるなんてどれだけ幸せなことか。田中芳樹さんにも、藤崎竜さんにも感謝をしてもし足りないぐらいですよ!!