帰ってきたヒトラー

 後半はネタバレがあるので、観に行っていない人は要注意!!

 どんなジャンルの映画もOKな蔵間マリコです。
 先日、4連休という短い夏休みを利用して、市内のミニシアターでとある映画を観に行きました。それは、ドイツのコメディ映画『帰ってきたヒトラー』っす。
 元々は、この映画は観る予定がなかった、というよりも存在を知らなかったんですよね。ただ、TVCMでこの映画の存在を知って、興味を持ったんですよね。で、元から観る予定だったゴーストバスターズとどっちにしようか悩んだ結果、帰ってきたヒトラーを観ることに決めました。まあ、ゴーストバスターズは数年後に金曜ロードショーにでもなるだろうしね。
 で、久々に市内のミニシアターに行ったけど、自分の記憶の限りでは劇場版CLANNAD以来だった気がする。話すと非常に長くなるから略するけど、こういう小さいシアターがあると本当に有難い。バルト11とかは有名な映画やアニメ映画が多いけど、小規模な映画はあまり上映しませんからね。やはり、バランスというものは重要だ。
 そして、評判を聞きつけたのか、シアター内は超満員でして。5分前に到着したというのもあるが、下手したら立ち見になりかねないほどだったな。あと10分ぐらい早く行けば良かったと少し後悔。

 さて、帰ってきたヒトラーの感想ですけど、噂どおりの面白さだった。コメディ映画ということで爆笑させてくれるんだけど、同時に笑えないことも描いていて、なかなかと興味深い内容だった。これは多くの人に見てもらいたいものだ。
 個人的に一番印象的だったのは、やはり主役であるアドルフ・ヒトラー。1945年から突如、2014年にタイムスリップをし、70年近くの時間の差にギャップと今までの生活。それをヒットラーの物真似芸人かと奇異に見る人たちや、物真似芸人として発掘して職場復帰を目指す冴えないディレクター、その成果を横取りしようと目論む副局長などなど……。彼と彼を取り巻く様々な人物が、大慌てになる大慌てになる。その様は、本当に滑稽だ。
 特に笑ったのは、ザヴァツキとドイツをネタ集めしながら旅行するシーン。地元の人から生活の不満を聞いたり、70年近くの時間で進化した文明に驚いたり、犬が好きとか言いながらも純潔犬を××したり、人物のスケッチを売って小銭を稼いだり……。ヒトラーの人物像のネタをしっかりと表現しながらも、それを笑い飛ばす。これがなかなか面白い。
 しかし、これで終わらないのが帰ってきたヒトラー。ヒトラーという人物像を使っている以上は、やはり笑えない側面がある。だんだんと支持を集めていくヒトラーが最終的に行き着く場所は……。ナチスの成り立ちを考えていけば、十分に有り得ること。それが物真似芸人などという冗談などではなく、本人だと知れば。やはり、独裁者は独裁者である。
 ただ、その恐るべきヒトラーによって、鑑賞者に多くの関心を与えたのも事実。ドイツにのみならず、ヨーロッパで蔓延する移民問題をはじめとし、様々な社会問題ともしっかりとぶつかり合っている。特に移民問題は、純潔性を思想の一つとして重要視しているナチズムにとっては深刻なもの。だからこそ、ヒトラーにそれを語らせることに大きな意味合いがある。もっとも、それを柔軟に上手く利用するあたりが独裁者ヒトラーの狡猾さだが。
 あと、作中でも色々と語られていたドイツの政党。アメリカの政党あたりはTVでやるから多少知っているけど、ドイツの政党を知っている人は確実に少ないですからね。パンフレットに詳しいことが書いているけど、なかなかと面白い。作中では語られていないけど、ドイツには海賊党なるトンデモネームの政党が存在することには驚いた。どうもネットの地位向上を根ざした政党のようで、若者に人気があるらしい。実情はよく分からないけど、国によって政党の事情が全く違うことを知れて、本当にタメになった。

 独裁者アドルフ・ヒトラーを主役としたコメディ映画、帰ってきたヒトラー
 小さいシアターでしか上映していないのが残念だけど、もっと多くの人に見てもらいたい映画だ。好き嫌いはともかく、こういう映画は評価されるべきだ。

 帰ってきたヒトラーの評価

 満足度 ☆☆☆☆☆
 コメディ度 ☆☆☆☆
 ブラック度 ☆☆☆☆